コンピュータビジョン(その他表記)computer vision

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コンピュータビジョン」の意味・わかりやすい解説

コンピュータビジョン
computer vision

画像・映像の内容を解析し,そこに含まれる対象に関する情報を抽出する技術と,その基礎となる視覚的な情報処理理論。パターン認識技術などを総合して行なう。ディープラーニングを導入したものに,たたみ込みニューラルネットワーク CNN,時間的なパターンを扱うために履歴を表す隠れ層を用いた再帰型ニューラルネットワーク RNN,「教師なし学習」(→機械学習)の一種である敵対的生成ネットワーク GANなどがある。これらによって,画像認識の適用範囲,機能,精度格段に向上した。主要な技術には,画像データからの特徴抽出,あらかじめ登録しておいた背景画像と観測画像を比較して背景にない物体とその動きを検出する背景差分,画像中でピクセルごとに対応する点を追跡して動きを推定するオプティカルフロー算出,3次元形状復元,複数カメラを用いた対象の立体的把握,対象までの深度奥行き)情報を与える距離画像の解析などがある。これらの技術は,画像・映像コンテンツの検索や加工デジタルでのアーカイブ保存作成ほか,視覚的なセンサを使ったヒューマンインターフェースロボットへの視覚情報の提供ロボットビジョン),コンピュータ断層撮影 CTによる人体の断層撮影像をもとにした臓器の立体画像生成など,多岐にわたって応用された。(→計算機科学

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