放送で最も重要な時間帯を指す和製英語。夜間(一般的に午後7時以降)の視聴好適時間を重視するアメリカの放送型式が,第2次大戦後日本に導入され,また民間放送の開始によって一般的となり,この言葉を生んだ。ゴールデンアワーは,第1に,視聴者の視聴好適時間(一般的には夜間)であり,視聴率も一日で最も高い。第2に,主要なニュース,報道番組,人気娯楽番組など,放送局が重要番組を編成している時間帯である。第3に,民放では営業上最も重要な時間帯で,大部分はAタイムといい,コマーシャルの単価も高い。ゴールデンアワーは,ラジオの全盛期には午後7時から約3時間のラジオの放送時間を指した。テレビの普及後は,同じ時間帯のテレビの時間を指すようになった。アメリカでは,ゴールデンアワーとほぼ同義の言葉として,テレビではプライム・タイムprime timeの語を使う。日本では,テレビの主要時間帯が午後11時まで拡張されたことから,視聴率調査会社などでは,午後7~10時をゴールデンアワー,午後7~11時をプライム・タイムとして区別することもある。ゴールデンアワーは,現代生活において,家族がテレビを見ながら夕食をとったり,だんらんを楽しむ核の時間となっている。しかし,ラジオのゴールデンアワーがテレビにとって代わられたように,ニュー・メディアや社会生活の変化が次の時代のゴールデンアワーを変え,同時に人々の生活も変化させるかもしれない。
執筆者:岡村 黎明
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 (株)朝日新聞出版発行「とっさの日本語便利帳」とっさの日本語便利帳について 情報
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