デジタル大辞泉
「サマータイム」の意味・読み・例文・類語
サマー‐タイム(summer time)
夏の季節だけ標準時刻を進めて、日照時間を有効に使おうとする制度。日本では昭和23年(1948)から昭和26年(1951)まで実施。夏時間。夏時刻。DST(daylight saving time)。
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サマータイム
日照時間が長くなる夏季の時間を有効活用しようと、時計の針を標準時より進める制度。早朝の涼しい時間帯に社会活動が始まり、就寝時間も早まることで空調や照明で省エネ効果が見込める。勤務終了後の時間をスポーツや趣味に充てることなどにより、個人の生活の質向上や、消費の伸びが期待できるとの声がある。制度を長年続ける欧州連合(EU)では、健康への悪影響などが指摘され、ユンケル欧州委員長は来年の廃止を加盟国と欧州議会に提案している。
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サマー‐タイム
- 〘 名詞 〙 ( [英語] summer time ) 夏の間、日照時間を有効に使うため標準時刻を進ませる制度。日本では昭和二三年(一九四八)から同二六年まで実施された。夏時間。夏時刻。夏時刻法。〔アルス新語辞典(1930)〕
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サマータイム
さまーたいむ
summer time
国や都市などが、夏季の昼間時間が長いことを利用して、法令で標準時を1時間進めた時刻を使用すること。夏時刻法ともいう。1908年イギリスのウィリアム・ウィレットが、時刻を早めればそれだけ早く仕事にとりかかり、したがって早く起き、早く寝ることになり、灯火の節約になるという経済的理由と、新鮮な空気を吸い日光に長時間触れるので健康増進にもなるという主旨で、日光節約法案を議会に提出、否決され、その後も2回提出、否決された。しかし、第一次世界大戦中、突然ドイツが経済上の理由から1916年に夏時刻法を採用し、4月30日午後11時に時計の針を1時間進め、10月1日午前1時に元に戻した。オーストリアも同時にこれを採用、オランダ、デンマークもこれに続いた。イギリスも同年5月21日に時計を1時間進め、10月に元に戻した。続いてヨーロッパ諸国が採用した。戦後もヨーロッパ諸国、アメリカ、カナダ、ニュージーランド、南アメリカの主要国が採用した。今日、世界で夏時刻を実施している国はアメリカ(州ごとに決める)、ロシア連邦をはじめ約70か国にも及ぶ。日本は1940年(昭和15)燃料節約のうえから問題にされたことがあったが立ち消えとなった。1948年政府が国会に夏時刻法を提出、採択され、4月の第1土曜日、午後12時(この年と翌々年からは5月に繰り下げ)から9月第2土曜日に次ぐ日曜日午前0時まで夏時刻法を施行した。しかし夏時刻は日本の風土には適さず、農家をはじめ一般に歓迎されず、4年後に廃止された。
[渡辺敏夫]
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知恵蔵
「サマータイム」の解説
サマータイム
昼間時間の長い夏季の一定期間、国や地域単位で、標準時を1時間進めた時刻を使用すること。時刻を早めることによって、明るい時間を有効に利用し、省エネルギーに結びつくとされている。また、余暇の時間が有効に活用されるなどの結果、経済的効果もあるとされる。
第1次世界大戦中、節電の必要に迫られたドイツが1916年4月30日午後11時から10月1日午前1時まで導入したのが最初である。これを契機にヨーロッパ主要国に広がり、その後、米国、カナダ、ニュージーランド、南アメリカの多くの国々が採用した。現在、世界でサマータイムを実施している国は約70カ国ある。
日本では、米軍占領下の48年から採択されたが、4年後に廃止され、以降は実施されていない。しかし、2011年3月11日に発生した東日本大震災に伴い、特に夏場の電力が大幅に不足する見込みであることから、政府の電力需給緊急対策本部は、抜本的な電力需給対策の一つとしてサマータイムの導入を提案し、検討するとしている。
一方で、残業の多い日本のビジネススタイルにおいて本当に効果があるのか、また、東西に長い日本において、一律に時間を早めることが可能かどうか、など否定的議論もある。野村総合研究所は、今年夏の電力需給対策として、最大使用電力に上限を課す総量規制が有効だとする一方で、サマータイム導入に関しては、電力需要の抑制効果は限定的との見解を発表している。
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「サマータイム」の意味・わかりやすい解説
サマータイム
中高緯度に位置する国・地域で,夏と冬の日照時間の差を生活のなかで補正する制度。日の出が早くなる初夏から初秋にかけて,時間を標準時より一定時間進める。1916年,イギリス議会が燃料不足対策としてサマータイム法を可決したのが最初で,ヨーロッパーのほとんどの国がイギリスにならって時計を1時間進ませた。現在北半球の国を中心に採用されている。日本でも欧米にならい1948年―1952年に実施されたことがある。1時間早く朝を迎えることで,照明・冷房のエネルギーを節約できる,勤務後の余暇時間が増えるなどの利点があるとされる。しかし東西に広がる日本で,特に西日本では標準時と自然の日の出・日の入りの時間との間のずれがサマータイムにより拡大する。また人間の体の自然のリズムが狂う,寝不足になる,残業が増えて労働強化につながるなどの反対意見も多い。
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サマータイム
日照時間の長い夏季の一定期間、昼の時間を増やすために時計を標準時より1時間程度早める制度。余暇の充実や省エネの効果があるとされ、欧米諸国を中心に導入されている。日本では1948年に連合国軍総司令部の指示で導入されたが、4年後に廃止された。以後実施されることはなかったが、2020年東京五輪・パラリンピックに向けて、政府は夏場の時間を2時間早めるサマータイムの導入を検討している。猛暑対策や省エネの効果が期待される一方で、労働時間が長くなることや生体リズムへの影響、時刻に関わるコンピューターシステムの改修が必要になることなどが懸念されている。
出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報
サマータイム
夏時間。 summer timeは和製語で,欧米では daylight saving timeという。夏季の一定の期日を限り,日中の時間をより有効に使うため,標準時間より1時間ないし2時間時計を進める方法。日本では 1948年5月の第1土曜日を 23時で打切って翌日曜日の午前0時とし,9月の第2土曜日を 25時までとして実施され,以来毎年行われたが,不評のため 52年に廃止された。
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サマータイム
1935年のオペラ「ポーギーとベス」の挿入歌。作詞:アイラ・ガーシュイン、作曲:ジョージ・ガーシュイン。原題《Summertime》。現在はジャズのスタンダード曲として知られ、数多くのミュージシャンが取り上げている。
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サマータイム
日照時間の長い夏の間だけ、時計を標準時より1時間早め、昼の時間を増やそうとする制度。地球温暖化対策の一環として導入が検討されています。
(2007/7/13掲載)
出典 『日本の人事部』人事労務用語辞典について 情報
世界大百科事典(旧版)内のサマータイムの言及
【ポーギーとベス】より
…その新しさゆえに初演は失敗に終わったが,作曲者の死後,舞台上演のほかに映画(1959)やバレエでも上演された。第1幕の子守歌《サマー・タイムSummer Time》,第2幕のバンジョーを伴奏に歌う《くたびれもうけOh,I Got Plenty O’Nuttin’》などの主要曲のヒットによって人気を得て今日にいたっている。【小場瀬 純子】。…
【夏時間】より
…サマータイムともいう。中高緯度地帯では,冬季は日の出時刻が遅く日の入り時刻が早い。…
※「サマータイム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」