サン・ジェルマン・デ・プレ(読み)さんじぇるまんでぷれ(英語表記)Saint-Germain-des-Prés

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

サン・ジェルマン・デ・プレ
さんじぇるまんでぷれ
Saint-Germain-des-Prés

フランスの首都パリのセーヌ川左岸第6区の地区。パリ最古のサン・ジェルマン・デ・プレ修道院(990~1014再建)を中心とする。同教会は、東西に走るサン・ジェルマン大通りと、セーヌ河畔に抜けるボナパルト通りの交差点北東隅にあり、ロマネスク様式の美しい鐘楼をみせている。その向かいにサルトルらの実存主義哲学者や文学者が集まったカフェ・デ・ドゥー・マゴがあり、近くに画家ドラクロワのアトリエ(現美術館)、詩人ボードレールの生家、18世紀に啓蒙(けいもう)主義者の集まったカフェ・プロコープなどがある。また書店や出版社も多く、文化的雰囲気を漂わせた地区となっている。南方近くにサン・シュルピス教会もあり、門前町的な雰囲気もある。

高橋 正]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア の解説

サン・ジェルマン・デ・プレ

フランス,パリ6区,セーヌ川左岸にある地区。パリ最古のサン・ジェルマン・デ・プレ聖堂(550年ころに創建された同修道院の一部)を中心に,サン・シュルピス聖堂(12世紀に起源を持ち,1646年に建立),美術学校,フランス学士院造幣局などがある。第2次大戦後,サルトルをはじめとする実存主義者が付近のカフェに集まり,哲学や文学の議論を行っていたことで有名。出版社,書店も多い。現在は画廊,骨董店,高級ブティックが建ち並び,多くの観光客を集める。

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