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ザクマン Sakmann, Bert

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ザクマン
Sakmann, Bert

[生]1942.6.12. ドイツ,シュツットガルト
ドイツの細胞生物学者。 1969年マックス・プランク精神医学研究所研究助手となったのち,74年ゲッティンゲン大学で医学博士号を取得。 85年マックス・プランク生物物理化学研究所細胞生理学部長に就任。同研究所で同僚の E.ネーアーと 1974年から細胞膜のイオンチャンネルに関する研究に取組む。2人はガラス電極の先端を細胞膜に押しつけて1つのチャンネルだけを通過するイオンの電流を測定する「パッチ・クランプ法」を開発し,イオンチャンネルには特定の種類のイオンだけを通過させる選択性があり,さらにその選択性にはチャンネルの内径とチャンネルをつくっている蛋白質のアミノ酸の構成が大きな役割を果していることを明らかにした。またイオンチャンネルが記憶の解明に手掛りを与えることや,糖尿病やてんかんなどへの関与も明らかにした。 91年ネーアーとノーベル生理学・医学賞を共同受賞。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ザクマン
ざくまん
Bert Sakmann
(1942― )

ドイツの生理学者。シュトゥットガルト生まれ。チュービンゲン大学医学部入学後、ミュンヘン大学医学部に移り1967年卒業。ミュンヘン大学病院で3年間研修医を勤めながら、マックス・プランク研究所で研究助手。1971年ロンドン大学に進学、1974年ゲッティンゲン大学で医学博士号を取得。1974年よりマックス・プランク研究所で研究。1987年ゲッティンゲン大学医学部教授。1990年ハイデルベルグ大学医学部教授、1991年同大学生物学教授。
 学生時代は神経生理学を学び、とくに中枢神経のシナプスに興味をもつ。マックス・プランク研究所の同僚E・ネーアーとの共同研究で、細胞膜中の一つのイオンチャンネルを通過するイオンが生み出す微小電流を検出する「パッチクランプ法」を開発した。それまでは複数種のイオンチャンネルによって生じる電流の総和しかとらえることができなかったが、この方法によって各イオンチャンネルの生理学的性質の研究が革新的に進んだ。その後、ザクマンはおもに脳におけるシナプス伝達を研究。パッチクランプ法開発の功績に対してネーアーとともに1991年のノーベル医学生理学賞を受賞した。[馬場錬成]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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