シバザクラ(英語表記)moss pink
ground pink
Phlox subulata L.

改訂新版 世界大百科事典 「シバザクラ」の意味・わかりやすい解説

シバザクラ
moss pink
ground pink
Phlox subulata L.

ハナシノブ科多年草。北アメリカ東部,南部原産。ハナツメクサともいう。細かく分枝し,地をはうように密生して茂り,半灌木状となる。葉は長さ1.0~1.5cmで針状,密生する。硬質の常緑葉。4月ごろ,径1cmぐらいの5裂する高盆状小花を,株一面に群開してきわめて美しい。花色は多くは濃桃色であるが,白色,紅色,藤青色,絞りなどの品種もある。また斑入り葉(ふいりば)品種もある。近縁で茎が多少ともはう小型種にP.douglasii Hook.,P.amoena Sims.などがある。日当り排水のよい所であればどこでもよく育ち,よく開花する。繁殖は秋に株分けをし定植をするが,挿木でも容易に殖やせる。冬季防寒をする必要はない。肥料は花後に1回追肥する程度でよい。花壇や通路の縁どりとして植えるのに最適で,また石垣などに垂らしても美しい。

 フロックスPhloxには花の美しい種が多く,また茎の直立する種も多く,観賞用に栽植される。
フロックス
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「シバザクラ」の意味・わかりやすい解説

シバザクラ
しばざくら / 芝桜
[学] Phlox subulata L.

ハナシノブ科(APG分類:ハナシノブ科)の多年草。アメリカ東部原産で、英名モス・フロックス。茎は低く5~10センチメートル、地面をはうようにして広がり、よく枝を密生し、初めは軟毛をつけるが基部は木質化する。葉は常緑で堅く、披針(ひしん)形または針状で長さ約1センチメートル。3~5月、葉腋(ようえき)または枝先に桃紅色で径約2センチメートルの5弁花が、茎葉を覆い隠すように咲く。花弁は倒心臓形で深い欠刻がある。萼片(がくへん)は針形。白色花のリットル・ドット、濃桃色花のライラッククイン、覆輪のニシキバなど多くの園芸品種がある。花壇、石垣、ロッケリー、グリーンベルトなどに植栽、観賞する。繁殖は株分け、挿木による。挿木の場合は10月に15センチメートルくらいの挿穂をつくり、基部の3分の1を土中に埋める。耐寒性は強い。

[猪股正夫 2021年3月22日]


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百科事典マイペディア 「シバザクラ」の意味・わかりやすい解説

シバザクラ

ハナツメクサ,モスフロックスとも。北米原産のハナシノブ科の多年草。高さ約10cmで,基部は木化し,長さ1cmほどの線形葉をつける。よく分枝して地面をおおい,4〜5月,一面に花を開く。花色は紅,淡紅,濃紅,淡青紫,白。花壇や石垣の間等に植え,栽培は容易。株分け,さし芽でふやす。
→関連項目フロックス

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シバザクラ」の意味・わかりやすい解説

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