シャムネコ(読み)しゃむねこ(その他表記)Siamese cat

翻訳|Siamese cat

日本大百科全書(ニッポニカ) 「シャムネコ」の意味・わかりやすい解説

シャムネコ
しゃむねこ
Siamese cat

哺乳(ほにゅう)綱食肉目ネコ科の動物であるイエネコFelis catusの1品種。代表的な短毛種で、体、尾、四肢ともにほっそりとして細長く、気品にあふれ美しい。後肢前肢に比べわずかに長めである。顔はV字形、目は切れ上がったアーモンド形のいわゆる東洋風で、耳は大きく根元が幅広い。被毛は短く密生し、体にぴったりと寝ている。顔、耳、尾、足先といった体の末端は色が濃くなっている。この部分をシャムネコ斑(はん)、あるいはポイントとよび、シャムネコの特徴となっている。生まれたばかりの子ネコは全身が白いが、6~12か月齢になるとポイントが現れてくる。知能は高く、飼い主に対する愛情の深さもネコのなかではいちばんといわれている。

[成島悦雄]


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改訂新版 世界大百科事典 「シャムネコ」の意味・わかりやすい解説

シャムネコ
Siamese cat

代表的な短毛種のイエネコで,原産地タイである。澄んだブルーのつり上がった目,長めのV字形の顔,鼻すじが通り,すらりとした姿態,柔らかく滑らかな被毛が特徴。性格はりこうで,なれやすく,イヌのようなネコといわれる。耳,顔,四肢,長い尾は体部より鮮やかな暗色で,これらをポイントと呼び,シール・ポイント(暗褐色),チョコレート・ポイント,ブルー・ポイント,ライラック・ポイント(藤色)などがある。これらの体部の毛色クリーム象牙色,茶色がかった白,白などである。
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百科事典マイペディア 「シャムネコ」の意味・わかりやすい解説

シャムネコ

ネコの一品種。毛は短く光沢があり,体色は白からクリームあるいはファウン(淡黄褐色)までの範囲。吻(ふん),耳,四肢等体の末端部のみ焦茶色を呈する。しかし,生まれた時は全身が白い。眼は澄んだ輝きのある青色をしている。シャム(現在のタイ)の王宮に長く飼育されたというが真の原産地は不明。愛がん用。
→関連項目ネコ(猫)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シャムネコ」の意味・わかりやすい解説

シャムネコ
Siamese

ネコ (イエネコ) の1品種。エジプトで飼育されていたものがシャム (タイ) に運ばれ,そこで固定化した。動作は活発。すらりとした体で短毛。尾は長く先端が細い。耳は比較的大きく,基部が太い。眼の色は緑青色。毛色は全身象牙色,青白色,薄紫色などさまざまで,耳,四肢の先端などが暗色を帯びる。

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世界大百科事典(旧版)内のシャムネコの言及

【ネコ(猫)】より

…毛色はブルーで淡灰色~暗青灰色,虹彩はオレンジ色,体はがんじょうで顔は幅が広い),ロシアンブルー(アメリカンブルー,マルチーズ。毛色はブルーで虹彩は緑色,体と顔は細い),シャムネコ(イラスト)(シャム。毛色は灰褐色で顔,四肢,尾が暗色,体が細く顔は三角形),アビシニアン(イラスト)(毛色は黄褐色で毛の基部は黄赤褐色,体は細く,顔は三角形で頭を高く保ち,古代エジプトのネコによく似ている),セーブル(アメリカではビルマと呼ぶことがある。…

※「シャムネコ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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