日本大百科全書(ニッポニカ) 「ジロー」の意味・わかりやすい解説
ジロー(Claude Gillot)
じろー
Claude Gillot
(1673―1722)
フランスの画家、版画家。ラングル生まれ。パリでジャン・バティスト・コルネイユJean-Baptiste Corneille(1649―1695)に学び、1715年アカデミー会員になる。初期には神話画を、後期にはイタリア喜劇の舞台を主題とした。多くのアラベスク文様のデッサンを描き、同時代の各種の装飾芸術に図案を供給。青年期のワトー、ランクレは彼に師事したが、オペラ座の衣装を監督し、舞台の情景を得意とした彼の主題は、ワトーたちに受け継がれ発展させられた。代表作は『車夫の争い』(ルーブル美術館)など。パリに没。
[中山公男]
ジロー(Henri Giraud)
じろー
Henri Giraud
(1879―1949)
フランスの陸軍軍人。1900年にサン・シール士官学校卒業。第一次世界大戦に歩兵将校として従軍。1927~1929年陸軍大学教授、1930年将軍に昇進。1920年代および1930年代、モロッコで民族運動を鎮圧。第二次世界大戦で第9軍司令官として西部戦線で活躍後、1940年5月ドイツ軍捕虜となり、1942年4月脱走して、11月米英連合軍の北アフリカ上陸作戦に協力、とくにアメリカ側から現地の軍事・政治上の長官として重用された。しかしレジスタンス(抵抗運動)をめぐり、ドゴールに対抗して及ばず、一時は国民解放委員会の長を彼と分かつが、やがて軍総司令官にとどまった。1943年9月コルシカ島の解放に成功後、1944年4月引退。回顧録的な著作がある。
[山上正太郎]
ジロー(Yvett Giraud)
じろー
Yvett Giraud
(1916―2014)
フランスのシャンソン歌手。本名はイベット・ウロンで、パリ生まれ。タイピストとして働くうち、1945年、勧められてレコード歌手としてデビューし、翌年の『あじさい娘』がヒットして、これが彼女の愛称となった。1952年には『詩人の魂』がディスク大賞を受賞。1955年(昭和30)の初来日以降、ほとんど毎年のように来朝。外国人歌手として初めて日本語で歌い、一時期シャンソン・ブームを起こした。1997年日本ツアー終了後に、アルバム『アデュー・ジャポン さようなら美しい日本』をレコーディング、高齢を理由に日本でのコンサートは最後となった。1994年、日本政府より勲四等宝冠章を受章。
[永田文夫]