スターチス(英語表記)Limonium; sea pink

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

スターチス
Limonium; sea pink

イソマツ科イソマツ属一年草および多年草の総称。分類学上は Limonium属とされるが,園芸界では旧属名のスターチス Staticeが使われている。世界中の海浜および草原に生え,120種ほどが知られている。日本にはイソマツ L. arbusculumとハマサジ L. japonicumの2種の自生があるが,一般に花壇,鉢物,切り花などの観賞用に栽培されるのは地中海地方やカナリア諸島産の種類である。葉は常緑で全縁の種が多く,多数の葉が根生するか,または茎の頂部に集って生じる。花は夏に咲くものが多いが,秋咲きや春から秋にかけて咲くものもある。花は円錐花序をなしてつく。近縁の属にアルメリア属 (ハマカンザシなど) があるが,花序の形が頭状であることで本属と区別される。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

デジタル大辞泉の解説

スターチス(statice)

イソマツ科リモニウム(イソマツ)属の一年草または多年草の総称。葉は根際から出る。よく分枝し、枝の上部一面に小花がつく。地中海沿岸地方の原産で、120種ほどが知られ、観賞用の切り花やドライフラワーにする。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

百科事典マイペディアの解説

スターチス

ハナハマサジとも。世界の海浜,砂漠,高山等に約150種あるイソマツ科イソマツ属(リモニウム)の多年草で,地中海地方原産。園芸的には秋まき一年草として栽培され,切花として用いられる。スターチスの名は古い学名に基づく。ダイコンに似た葉を根生し,5〜6月,3〜5の翼のある花茎に穂状花序をつけ,その片側に3〜4花重なった小穂が並ぶ。花色は黄・白・紫・紅で,芳香がある。ドライフラワーにもする。これと似たリモニウム・ボンデュエレイは全体がきゃしゃで,小穂には1〜2花,花色は黄色。このほか,広い円錐状の花序をもち青紫色の花をつけるリモニウム・ラティフォリア,それによく似て花序の幅が狭いリモニウム・ベリディフォリウム(園芸上〈カスピア〉とも呼ばれる),分枝した花序の枝がそれぞれ細長い穂状で桃色の花をつけるリモニウム・スウォロウィー,傘状に密集した花序となり,青紫色の萼に白花をつけるリモニウム・ペレジー,あるいは交雑品種など,十数種が園芸的に栽培されている。
→関連項目ハマサジ

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典 第2版の解説

スターチス【sea lavender】

イソマツ科イソマツ属Limoniumには180種ほどが知られ,世界中の海岸や内陸乾燥地域に広く分布している。花卉園芸で切花やドライフラワーに多く用いるスターチスは,この属のものである。リンネが記載した広い意味のスターチス属Staticeは,研究の結果,頭状花序を有するアルメリアArmeriaと巻散状円錐花序を有するイソマツ属Limoniumに分けられた。園芸界にスターチスの名が流布してから,2属に分けられたので,いまだにイソマツ属Limoniumの植物がスターチスと呼ばれている。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

大辞林 第三版の解説

スターチス【Statice】

イソマツ科イソマツ属の植物の総称。地中海沿岸原産。高さ50センチメートル 内外。五、六月、分枝した枝に小花を多数つける。萼がくはらっぱ状で花のように見え、青紫・黄・白など。花冠は普通は黄白色。切り花やドライフラワーにする。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

スターチス
すたーちす
statice
[学]Limonium

イソマツ科リモニウム属の総称で、耐寒性・耐乾燥性の強い一年草または多年草。スターチスは旧属名である。台湾から旧ソ連地域、ブルガリア、地中海沿岸にかけて自生し、ほとんどが海浜生で、約120種ある。茎はよく分枝し、葉は根生する。花はごく小さく、分枝のすべてに無数につく。切り花や花壇に使われる。シヌアーツム種は秋播(ま)きの一年草として扱われ、もっとも普通に栽培される。葉は長披針(ちょうひしん)形で、5~6月、紫青または桃色の花を開く。シネンシス種は多年草で、葉は長楕円(ちょうだえん)形でつやがあり、6~7月、淡黄色の花を開く。ラティフォリウム種は多年草で、花が無数につく姿を花火に見立て、ニワハナビの名もある。葉は緑灰色、長卵形で、7~8月、藤(ふじ)色の花を開く。また、ペレズィーは四季咲き性で、ハウス栽培で周年出荷される。
 耐寒性は強いが、日陰地や多湿地ではよく育たないので、日当りがよく、水はけのよい所に植える。繁殖はシヌアーツムは実生(みしょう)により、その他は株分けと実生によったが、近年は組織培養(メリクロン)による増殖苗が広く出回っている。[鶴島久男]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典の解説

スターチス

〘名〙 (statice による) イソマツ科の多年草。地中海沿岸地方原産で観賞用に各地で栽培され、栽培上は秋まき一年草として扱われることが多い。高さ五〇~八〇センチメートル。冬には長さ約三〇センチメートルの披針形で縁が波状に中裂する葉を根ぎわに多数つけてロゼット状をなし、春に茎を直立する。茎は三~五枚の翼があり、よく分枝し、披針形の小さな葉をつける。茎の先は一方に傾き、上側に、数個の小花からなる小穂を並べてつける。花冠は白色膜質、萼(がく)が花冠のように見える。この種と同じイソマツ属に属する植物のうちで、観賞用に栽培されるものの総称として用いられる場合もある。はなはまさじ。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

スターチスの関連情報