スピロノラクトン(読み)すぴろのらくとん(英語表記)spironolactone

化学辞典 第2版 「スピロノラクトン」の解説

スピロノラクトン
スピロノラクトン
spironolactone

7α-acetylthio-17α-hydroxy-3-oxopregn-4-ene-21-carboxylic acid γ-lactone.C24H32O4S(416.58).17α-エチニル-5-アンドロステロン-3β,17β-ジオール原料として,17位を不飽和ラクトンとし,還元後チオ酢酸と加熱して合成する.微黄色~淡黄褐色の粉末.わずかに特異な臭気があり,味はわずかに苦い.融点134~135 ℃(再固化し201~202 ℃ で分解).ほとんどの有機溶媒に可溶,水に不溶.-33.5°(クロロホルム).λmax 238 nm(ε 20200).アルドステロンきっ抗利尿薬として用いられる.LD50 > 1000 mg/kg(ラット経口).[CAS 52-01-7]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「スピロノラクトン」の意味・わかりやすい解説

スピロノラクトン
すぴろのらくとん
spironolactone

利尿剤副腎(ふくじん)皮質ホルモンのうちの鉱質コルチコイドであるアルドステロンの拮抗(きっこう)物質である。腎の遠位尿細管においてアルドステロンと拮抗し、ナトリウム排泄(はいせつ)を促進し、カリウムの排泄を阻害して、利尿効果を発揮する。降圧作用も有する。チアジド系降圧利尿薬に比べカリウムの喪失が少ない。心性浮腫(ふしゅ)、腎性浮腫、肝性浮腫などの浮腫や高血圧症の治療に用いられる。微粉末とすることにより効果の増大をみる。1日50~100ミリグラムを経口投与する。

[幸保文治]

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栄養・生化学辞典 「スピロノラクトン」の解説

スピロノラクトン

 C24H32O4S (mw416.58).

 抗アルドステロン剤.遠位尿細管のアルドステロンレセプターと競合的に結合してアルドステロンの作用を阻害する.

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スピロノラクトン」の意味・わかりやすい解説

スピロノラクトン
spironolactone

C24H32O4S 。アルダクトン aldactone Aともいう。代表的抗アルドステロン剤。利尿・降圧剤として用いられる。副作用としては催眠とか皮疹がある。家畜にも使う。

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