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スペイン政変 すぺいんせいへん

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知恵蔵の解説

スペイン政変

2004年3月、民衆党のアスナール政権に代わって誕生したのが、社会労働党のサパテロ政権である。1996年5月、82年から続いた社会労働党政権(中道左派)に代わり、民衆党のアスナール政権(中道右派)が発足し、スペインの近代化・経済発展を急速に推し進めることに成功。EUにおける存在感を強めるに至った。しかし、04年3月の任期満了に伴う総選挙直前の3月11日、マドリード列車爆破テロ事件が発生し、約190名が死亡、1700名以上が負傷するというスペイン史上最大の惨事となった。このテロは、イラク戦争を積極的に支持したアスナール政権に対するイスラム原理主義テロリストの反発であった。その後に行われた総選挙では、野党社会労働党が下院(350議席)での議席数を164議席と大きく伸ばし、サパテロ新内閣が発足。同年6月に行われた欧州議会選挙でも、スペインの欧州議会議員数では社会労働党が第1党となった。同政権は均衡財政の維持や雇用創出促進政策に加え、社会政策の充実を掲げている。組閣直後の04年4月、イラクからのスペイン軍の撤退を決定し、5月には撤退を完了した。サパテロ政権は、親米政策から、親EU姿勢、特に独仏への接近策に路線を変更した。欧州憲法条約にも積極的な姿勢を示し、フランスに先立って批准した。内政では、不法移民の合法化、最低賃金の大幅引き上げを決め、同性愛カップルの婚姻・養子縁組の合法化、カトリック教会への公費助成金削減などを提唱し、カトリック的伝統からの脱却を図っている。カタルーニャバスク両州の自治強化も支持している。

(渡邊啓貴 駐仏日本大使館公使 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」
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