スリランカ史(読み)スリランカし

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スリランカ史」の意味・わかりやすい解説

スリランカ史
スリランカし

ベッダ族などの先住民が居住するスリランカ島に,西インドや東インドからアーリア系言語を話す人々が徐々に移住して,シンハラ族が形成された。シンハラ族の国家活動は,西暦紀元前にさかのぼる。伝説によると前5世紀初めに西インドの王子ビジャヤが来島し,建国したといわれる。前3世紀中頃のデーバーナンピヤ・ティッサの時代にマヒンダ (伝説ではアショーカ王の王子) が仏教を伝え,都のアヌラーダプラにマハービハーラ (大精舎) が建てられた。以後,この僧院を中心に上座部仏教が栄え,社会や文化に大きな影響を与えた (→南方仏教 ) 。南インドで興亡したタミル族の諸王朝の侵寇をしばしば受け,王都もポロンナールワカンディーなどに移ったが,歴代の王は仏教を保護し,また水田耕作のための灌漑事業に力を尽くした。 16世紀以後ヨーロッパ諸勢力の侵略が相次いだ。まず 1505年にポルトガルが来航してアジア経営の一拠点としたが,17世紀初めよりオランダがこれに代わり,さらに 18世紀末にはイギリスがオランダを駆逐し,1796年直轄植民地とした。イギリスは 1815年カンディー朝滅亡とともに全島を領有し,茶やゴムなどのプランテーション事業を進めた。 1948年イギリス連邦内の自治領として独立。 1972年新憲法を制定し,国名セイロンからスリランカ共和国に改めるとともに,イギリス連邦加盟の完全独立国となった。さらに 1978年スリランカ民主社会主義共和国に改称した。

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