日本大百科全書(ニッポニカ) 「マヒンダ」の意味・わかりやすい解説
マヒンダ
まひんだ
Mahinda
生没年不詳。紀元前3世紀ころのインドの仏教僧。マヒンダはパーリ語名で、サンスクリット語ではマヘーンドラMahendra。摩呬陀(まひんだ)と漢訳される。仏教思想に基づいてインドを統治したマウリヤ王朝アショカ王の王子として西インドのウッジェーニー付近で生まれる。アショカ王のもとで第3回結集(けつじゅう)を主宰したモッガリプッタ・ティッサMoggaliputta Tissaに就いて出家し、学を修めた。のち父王の命令でセイロン島(スリランカ)に赴き、仏教を広めた。首都アヌラダプーラにマハービハーラ(大寺)を建立し、セイロン仏教の基盤をつくった。妹サンガーミッターSanghamittaも比丘尼(びくに)となり、セイロンに行き兄を助け、仏教伝道に努めた。
[阿部慈園 2016年12月12日]