国際法上は,イギリスの〈ドミニオンDominion〉の訳語として使われてきた。もともとはイギリス帝国の有力な植民地に与えられた名称であるが,現在はイギリス本国と元首を共通にする主権国家を指す。第1次大戦前,植民地にすぎなかった自治領は,戦後,国際連盟に加盟するなどして,国際法上の主体性を徐々に獲得していった。そこで,1926年に帝国会議が採択したバルフォア報告は,イギリスおよび自治領は平等の地位をもつと述べ,31年のウェストミンスター憲章は,〈自治領〉の表現は,カナダ,オーストラリア,ニュージーランドなど6共同体のどれかを意味すると規定した(1条)が,当時のコモンウェルスは,イギリスとこれら6自治領によって構成されていた。いずれも元首を共通にした。第2次大戦後,コモンウェルスに共和制(インドなど),独自の君主制(マレーシアなど)の国家が加入したため,〈自治領〉に代わって〈コモンウェルスのメンバー〉の概念がよく使われる。
→コモンウェルス
執筆者:松田 幹夫
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
国際法上はイギリス連邦(コモンウェルス)内のドミニオンDominionの訳語である。イギリス連邦の構成メンバーでかつて白人の植民地であったカナダ、オーストラリア、ニュージーランドのそれぞれの特殊な地位をさすが、現在ではこの呼称はしだいに用いられなくなっている。南アフリカも以前は自治領の立場にあったが、1961年共和制に政体を変え、自治領でなくなり、またイギリス連邦からも離脱した。
[池田文雄]
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