セリュジエ

百科事典マイペディア 「セリュジエ」の意味・わかりやすい解説

セリュジエ

フランス画家パリに生まれ,美術学校アカデミー・ジュリアンに学ぶ。1888年,ポンタベンゴーギャンに会い,やがてドニボナールらとナビ派結成。単純化された形体色面による装飾的・象徴的な画風で知られる。代表作は《タリスマン》(1888年,オルセー美術館蔵)など。
→関連項目サンテティスムポンタベン派

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改訂新版 世界大百科事典 「セリュジエ」の意味・わかりやすい解説

セリュジエ
Paul Sérusier
生没年:1863-1927

フランスの画家,美術理論家ナビ派の中心人物の一人。パリ生れ。1888年に出会ったゴーギャンの圧倒的な影響のもとに,象徴主義的な宗教画を志す。神智学や,ドイツのボイロンBeuronのベネディクト会修道院に伝わる〈神尺saintes mesures〉の理論に強く感化され,平たんな色面による装飾的な作品を描いた。1914年以降ブルターニュに引きこもり,モルレーMorlaixで没。理論書に《絵画ABC》(1921)がある。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「セリュジエ」の意味・わかりやすい解説

セリュジエ
Sérusier, (Louis-) Paul (-Henri)

[生]1863? パリ
[没]1927.10.6. モルレー
フランスの画家。アカデミー・ジュリアンに学ぶ。 1888年ブルゴーニュでゴーガンに会い深い影響を受ける。 89年ドニ,ボナール,ビュイヤールらとナビ派を結成。ドイツのボイロンのベネディクト派修道院の宗教美術学校を訪れて以来,宗教美術に強く影響された。理論家としても著名。主要作品『タリスマン』 (1888) など。

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世界大百科事典(旧版)内のセリュジエの言及

【ナビ派】より

…カトリック精神および象徴主義の色彩が強い,フランス19世紀末の画家グループ。1888年,パリのアカデミー・ジュリアンの画学生であったドニセリュジエを中心に形成された。〈預言者〉を意味するヘブライ語nāḇî’にちなんだグループ名はセリュジエの命名になる。…

【ポンタベン派】より

…ゴーギャンの《説教のあとの幻影》(1888)は,その代表的作例。ゴーギャンを別にすれば,おもな画家として,ベルナールÉmile Bernard(1868‐1941),ラバルCharles Laval(1862‐94),セリュジエ,メイエル・デ・ハーンJacob Meyer de Haan(1852‐95),セガンArmand Séguin(1869‐1903),フェルカーデJan Verkade(1868‐1946),フィリジェCharles Filiger(1863‐1928)等があげられる。個々の画風の違いはあるものの,浮世絵版画,エピナル版画,ステンド・グラス等から想を得た〈クロアゾニスムcloisonnisme(区分主義)〉――隈取りのある平坦な色面を主体にした画面構成――により,宗教性と装飾性を調和させた内省的かつ音楽的な画面を目ざした点に大きな特徴がある。…

※「セリュジエ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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