ゼアキサンチン

デジタル大辞泉 「ゼアキサンチン」の意味・読み・例文・類語

ゼアキサンチン(zeaxanthin)

トウモロコシサフランパプリカなどの植物卵黄ほか網膜中心部の黄斑キサントフィル一種として含まれる、黄色色素カロテノイドの一種。

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化学辞典 第2版 「ゼアキサンチン」の解説

ゼアキサンチン
ゼアキサンチン
zeaxanthin

(3R,3′R)-β,β-carotene-3,3′-diol.C40H56O2(568.87).ゼアキサントールともいう.カロテノイドの一つ.植物の花や果実に遊離の状態,あるいは高級脂肪酸エステルとしてきわめて広く分布している.イネ科トウモロコシZea mays,ナス科ホオズキPhysalis alkekengiの果実などの主色素である.動物界にもしばしば見いだされ,卵黄の色は飼料に由来するゼアキサンチンおよびテインの存在のためであり,そのほか脂肪や肝臓中にも見いだされる.黄色の板状結晶.融点211.5 ℃.-40~50°(クロロホルム).λmax 483.5,451.5,423 nm(石油ベンジン).クロロホルム,ベンゼン,低級アルコールに可溶,石油ベンジンに難溶.ゼアキサンチンジアセタートを有機過酸で処理すると末端の二重結合が酸化され,モノエポキシド(アンテラキサンチン)およびジエポキシド(ビオラキサンチン)を生じ,これらは酸の作用により,それぞれフラノイドオキシドのムタトキサンチンおよびアウロキサンチンにかわる.これらはいずれも植物花弁などに見いだされている.ジパルミチン酸エステルはフィサリエン(physalien)とよばれ,かなり広く分布している.赤色の柱状結晶.融点98.5~99.5 ℃.[CAS 144-68-3]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

栄養・生化学辞典 「ゼアキサンチン」の解説

ゼアキサンチン

 C40H56O2 (mw568.89).

 ジヒドロキシβ-カロテンともいう.カロテノイドの一種.トウモロコシなどに多く含まれる.

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世界大百科事典(旧版)内のゼアキサンチンの言及

【カロチノイド】より

…酸素を含まないもの(炭化水素)と含むもの(アルコール,ケトン,エーテル,アルデヒド,エポキシド,カルボン酸)に大別される。前者はカロチン,リコピン,後者にはルテイン,クリプトキサンチン,ゼアキサンチン,フコキサンチン,ビキシン,ロドキサンチンがある。水に不溶で脂肪を溶かす溶剤によくとけ酸化されやすく不安定。…

【キサントフィル】より

…ホオズキ,トウガラシの実の色,卵黄,魚卵,哺乳類の卵巣の黄体などの色はこの色素による。狭義にはルテインluteinで分子式はC40H56O2であり,水酸基をもつゼアキサンチンzeaxanthin,クリプトキサンチンcryptoxanthin,ケト基を有するロドキサンチンrhodoxanthinなどが知られている。葉緑体に含まれるキサントフィル類は光合成の補助色素として,吸収した光のエネルギーをクロロフィルに伝え光合成の効率を高めている。…

※「ゼアキサンチン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」