ソホーズ(その他表記)sovkhoz

翻訳|sovkhoz

関連語 奥田 名詞

改訂新版 世界大百科事典 「ソホーズ」の意味・わかりやすい解説

ソホーズ
sovkhoz

ソ連邦国営農場sovetskoe khozyaistvo(ソビエト経営)の省略形で,ソフホーズとも読む。コルホーズ集団農場)とともにソ連の社会主義農業の2形態を形成した。コルホーズの場合と異なって,ソホーズに働くのは,賃金の支払いをうける労働者であった。ロシア革命直後にも,また農業集団化期にも,コルホーズとソホーズのいずれが社会主義農業であるかという論争があったが,ソ連では一貫して両方の形態が並存してきた。ソホーズは,革命直後には主として廃絶された地主の土地のうえに建設され,その後国家の未利用地に拡大した。第2次大戦前までソホーズはコルホーズに比べて比較的小さな役割を演じたが,集団化に加わらなかった農民経営や,のちにはコルホーズに対して大規模な機械化経営の有利性を示し,また集団化を促進するものとされていた。戦後フルシチョフ農政下での大規模な処女地の開墾による巨大ソホーズの建設,遅れたコルホーズのソホーズへの転化,さらにその後のソホーズ相互間やコルホーズ・ソホーズ間での工業企業の共同経営などの一連政策のもとで,ソホーズの役割は著しく増大し,ソ連時代の末期にソホーズはソ連の全耕地面積の半分以上を占めていた。経営規模の拡大とならんでその専門化も進み,それとともに,国家やその他の農産物加工工業などとソホーズ,コルホーズとを結合した〈農工複合体〉(農工コンプレクス)〉の創出が促進された。ソ連邦崩壊後は農民の独立が認められ,コルホーズ,ソホーズの多くは協同組合や株式会社等に改編されている。
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百科事典マイペディア 「ソホーズ」の意味・わかりやすい解説

ソホーズ

ソフホーズとも読む。旧ソ連の大規模な国営農場。sovetskoe khozyaistvo(ソビエト経営)の省略形。土地その他の生産手段と生産物は国有で,労働者は国家から賃金の支払いを受けた。地主所有農場を接収し十月革命直後(1918年)に創設穀物家畜等のソホーズに分かれる。コルホーズとともに農業集団化の基本形態をなし,第2次大戦後コルホーズに匹敵するほどに発展した。ソ連の崩壊後はコルホーズとともにほとんどが改組され,約3分の2は農業協同組合や株式会社となった。一部は従来どおりの経営を続けるとしている。

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