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タブラ・ラサ タブラ・ラサtabula rasa

翻訳|tabula rasa

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

タブラ・ラサ
tabula rasa

ろうなどを引いた書字板の字を削り消して何も書き込まれていない状態にした書字板,すなわち白紙状態の意。感覚論において魂は,外部からの刺激による経験をまって初めて,観念を獲得するとされているが,その経験以前の魂の状態をいう。この立場では観念の生得性は否定され,知覚において精神は受動的に働くと考えられる。ロックの用語とされるが,古くからある概念。プラトン,ストア派,特にアリストテレスに同様の考えがあり,タブラ・ラサというラテン語はアリストテレスの訳語としてローマのアエギディウスが考案したとされる。その後アルベルツス・マグヌス,トマス・アクィナスが用いて定着した。

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世界大百科事典内のタブラ・ラサの言及

【感覚】より

…他方イギリス経験論においては,感覚はあらゆる認識の究極の源泉として尊重され,その思想は〈感覚の中にあらかじめないものは知性の中にはない〉という原則に要約されている。ロックによればわれわれの心は白紙(タブラ・ラサtabula rasa)のようなものであり,そこに感覚および内省の作用によってさまざまな観念がかき込まれる。ここで感覚とは,感覚器官が外界の可感的事物から触発されることを通じて心に伝えるさまざまな情報のことである。…

【模写説】より

…デモクリトスやエピクロスは,事物から流出する微小な〈像eidōlon〉が感覚器官に入りこみ,心を刺激して知覚が生じると説き,プラトンは心は〈本〉に似ており,感覚や記憶によって受け入れられ心に書きつけられたことの〈似姿eikōn〉を,知性がもう一度心に画き直すとした。スコラ哲学以来,〈鏡〉に映じた像から実物・現物へとさかのぼる思弁が始まり,13世紀以後,心を〈やすりをかけられた板(タブラ・ラサtabula rasa)〉とみなす考えが起こる。一般に,心は鏡が事物を映すように,平らな板に字が書かれるように,蠟に印形が刻印されるように,事物を模写し模像し,この模写ないし模像が事物の認識に当たると説くのが模写説であり,常識ないし素朴実在論の認識理論に当たる。…

※「タブラ・ラサ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

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