日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ダム(Carl Peter Henrik Dam)
だむ
Carl Peter Henrik Dam
(1895―1976)
デンマークの生化学者。1923年よりコペンハーゲン大学に勤め、1929年教授となる。同年、脂質含量の低い餌(えさ)で飼育したニワトリは体の各部に出血傾向があり、その血液には明らかな凝固時間の延長が認められることをみいだした。ダムは、これは未知の微量栄養素の欠乏によると考え、この物質をビタミンKと名づけた。Kは凝固Koagulation(ドイツ語)のKである。1939年、P・カラーとともに、ムラサキウマゴヤシ(アルファルファの一種)からビタミンK1を単離することに成功した。K1は同じ年にE・A・ドイジーによっても得られた。その後ダムはK1の性質の解明、生理作用、医薬品としての応用面などを研究し、ドイジーとともに1943年のノーベル医学生理学賞を受賞した。ビタミンE、脂肪、コレステロールなどの研究もある。
[石館三枝子]
[参照項目] |
| | |