ダール(読み)だーる(英語表記)Robert Alan Dahl

デジタル大辞泉 「ダール」の意味・読み・例文・類語

ダール(Roald Dahl)

[1916~1990]英国の小説家脚本家。英国空軍のパイロットから小説家に転身。皮肉やブラックユーモアをきかせた短編小説のほか、児童文学にも多くの作品を残した。作「南から来た男」「チャーリーとチョコレート工場」。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ダール」の意味・わかりやすい解説

ダール
だーる
Robert Alan Dahl
(1915―2014)

現代政治学を代表するアメリカの学者。その関心領域はきわめて広く、ほぼ政治学の全領域に及んでいる。とりわけ、アメリカ民主主義前提である、地方政治は草の根民主主義だとする命題に対して、地域権力構造は多元的な集団によって支えられ、それぞれの集団が限定的な範囲と程度で権力を分有している実態を立証した。この権力のもち方に対する関心は、現代民主主義の理論化への関心として展開され、分析概念としての議会民主政を現代化し、ポリアーキー(多頭政)概念によって、現代の政治体制の開放性(異議申立て)と包絡性(参加)を軸とする包括的な分析的理解の手掛りを展開した。ウッドロー・ウィルソン賞(1962)、タルコット・パーソンズ賞(1977)などの賞を受賞した。

内山秀夫

『R・A・ダール著、内山秀夫訳『民主主義理論の基礎』(1970・未来社)』『R・A・ダール、E・R・タフトィ著、内山秀夫訳『規模とデモクラシー』(1979・慶応義塾大学出版会)』『R・A・ダール著、内山秀夫訳『経済デモクラシー序説』(1988・三嶺書房)』『R・A・ダール著、河村望・高橋和宏監訳『統治するのはだれか――アメリカの一都市における民主主義と権力』(1988・行人社)』『R・A・ダール著、中村孝文訳『デモクラシーとは何か』(2001・岩波書店)』『R・A・ダール著、飯田文雄・辻康夫・早川誠訳『政治的平等とは何か』(2009・法政大学出版局)』『R・A・ダール著、杉田敦訳『アメリカ憲法は民主的か』(2014・岩波書店)』『R・A・ダール著、高畠通敏・前田脩訳『ポリアーキー』(岩波文庫)』

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改訂新版 世界大百科事典 「ダール」の意味・わかりやすい解説

ダール
Johan Christian Clausen Dahl
生没年:1788-1857

ノルウェーの風景画家。ベルゲン生れ。コペンハーゲンアカデミーに学び,1818年よりドレスデンに定住。C.D.フリードリヒと親交し影響を与え合うが,その本領は主観的・思索的ロマン主義にではなく,17世紀オランダ風景画により開眼された雄壮な自然把握と〈自然を暗記する〉ほどの精緻な観察に基づく表現にある。また彼自身は習作としかみなしていなかったが,その油彩スケッチは自由な筆使いで瞬間の光や水の動き等をとらえ,印象派を思わせる斬新さを示す。リベラルな教師として多くの弟子を集め,ドイツ写実主義を準備する一方,祖国ノルウェー風景の絵画的表現の基礎を築いた。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ダール」の意味・わかりやすい解説

ダール
Dahl, Robert A.

[生]1915.12.17. インウッド
第2次世界大戦後のアメリカ政治学界において指導的な役割を果した政治学者の一人。民主主義理論の分野で多大な貢献をし,多元主義民主主義論の主唱者とされる。民主主義の発展を「異議申立て」 contestationと「参加」 participationとの2軸によってとらえるポリアーキー論やオポジションの研究は日本の政治学者にも大きな影響を与えている。主著『ポリアーキー』 Polyarchy: Participation and Opposition (1971) ,『民主主義理論の基礎』A Preface to Democratic Theory (56) ,『民主主義とその批判』 Democracy and its Critics (89) 。

ダール
Dhār

インド中部,マディヤプラデーシュ州西部の都市。インドール西南西約 56km,ビンディア山脈北麓の丘陵に位置。9世紀末にパラマーラ朝の首都がおかれ,ボージャ王 (1018~60) 時代にはヒンドゥー教の学問,文芸の中心として繁栄。 14世紀初頭にムガル帝国の支配下に入り衰退した。ヒンドゥー教,ジャイナ教の遺跡はほとんど破壊され,14~15世紀にその跡に建てられた多くのモスクや廟があり,北方の丘陵上には城,宮殿が残る。農産物を集散し,綿織物工業が行われる。人口5万 9089 (1991) 。

ダール
Dahl, Johan Christian

[生]1788.2.24. ベルゲン
[没]1857.10.14. ドレスデン
ノルウェーの風景画家。コペンハーゲンのアカデミーに学び,1818年ドレスデンに,その後イタリアに遊学。 24年ドレスデンのアカデミー教授となり同地に住む。 47年パリ訪問のほか,故郷ノルウェーにはしばしば旅行。同地の山岳,氷河,フィヨルドなどの壮大な風景を描いた。

ダール
Dard, Frédéric Charles Antoine

[生]1921.6.29. ブルグワヌ=ジャリュー
[没]2000.6.6. ボンヌファンテーヌ
フランスの推理小説作家。「サン・アントニオ警視」シリーズがベストセラーとなり,著作約 300冊の半分以上を占める。ほかに,映画の脚本,戯曲など。

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百科事典マイペディア 「ダール」の意味・わかりやすい解説

ダール

米国の政治学者。イェール大学教授。行動主義的研究方法を用いて,米国社会の権力構造を分析,その多元的性格を明らかにした。著書〈民主主義理論序説〉〈誰が支配するか?〉など。

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世界大百科事典(旧版)内のダールの言及

【ダーラ[川]】より

…スウェーデン中部,コッペルベリ地方を南東に流れ,ウプサラの北80kmのイェブレでボスニア湾に注ぐ川。ダール川ともよばれる。全長520km。…

【ノルウェー】より

…19世紀初頭のロマン派画家もみなドイツに居を構えた。彼らがノルウェー絵画史の第1ページを記すのだが,その筆頭にくるダールは〈ノルウェー絵画の父〉と呼ばれるものの,ドレスデン・アカデミーの教授であった。 この対外的先取性とは裏腹に,ノルウェー人の郷土意識は頑固なほど強い。…

※「ダール」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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