チャルカー(その他表記)charkhā

改訂新版 世界大百科事典 「チャルカー」の意味・わかりやすい解説

チャルカー
charkhā

綿花羊毛,まゆなどから糸を紡ぐのに使う手動器械で,古くインド農村手工業において重要な役割を果たす。イギリスによる植民地化過程で農村手工業は壊滅し,手紡ぎ車も放棄されたが,1920年代の民族運動の中でガンディースワデーシー運動一環として,農村経済自立を目指すチャルカーによる手紡ぎ綿糸とカーディー(手織綿布)の生産奨励に乗り出した。これによりチャルカーは蘇生し,以来国民会議派の運動の象徴とさえなる。
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山川 世界史小辞典 改訂新版 「チャルカー」の解説

チャルカー
carkhā

インドで伝統的に用いられてきた糸紡ぎのための器械,手紡ぎ車。イギリス植民地期に衰退したが,ガンディースワデーシー観点から,また村落産業の育成のために,その復興をめざした。彼は,手紡ぎ糸を使ったカーディー(手織綿布)の生産,使用も奨励した。手紡ぎ車は,インド国民会議派の運動の象徴となった。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「チャルカー」の意味・わかりやすい解説

チャルカー
charkhā

ヒンディー語で手紡ぎ車のこと。インド独立運動に際して,M.ガンジーがこれを手にして,外国製の布,外国風の衣服を排斥し,手紡ぎ,手織りにいそしむように説いた。これはインド的なものの再発見であり,民衆なか民族意識に訴えるものであった。なおこれは,インド国民会議派旗印になっている。

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世界大百科事典(旧版)内のチャルカーの言及

【綿織物】より

…1905年に始まったスワデーシー運動はイギリス製品のボイコットを行い,工場制綿布の生産を促した。第1次大戦後には30番手以上の細糸(競争番手)生産が増加し,イギリス綿糸布の輸入代替が進行するとともに,M.K.ガンディーが奨励したチャルカー(手紡車)とカーディー(厚地手織綿布)はインド民族運動の象徴ともなった。この期にはまた工場制綿布の生産高が手織綿布の生産高を上まわり,両者の合計が輸入綿布量を越えた。…

※「チャルカー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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