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民族意識 みんぞくいしき national consciousness

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

民族意識
みんぞくいしき
national consciousness

他民族との接触・交流あるいは対立のなかで,人種的表徴・言語・文化・生活習慣の相違から素朴に感知される自民族への帰属感を基礎として形成される社会意識。他民族と区別され,また他の小共同体を超絶する共同体として,自民族を意識するところに成立する。

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出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉の解説

みんぞく‐いしき【民族意識】

ある民族に属しているという自覚。同じ民族の仲間という連帯感。

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監修:松村明
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大辞林 第三版の解説

みんぞくいしき【民族意識】

ある民族に属しているという帰属意識。

出典|三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

民族意識
みんぞくいしき
folk or national consciousness英語
Volksbewutseinドイツ語

民族を構成する人々が、自己の所属する民族そのものについて、ほぼ共通に抱くところの観念ないし意識であって、一般に集団意識ないしは社会意識とよばれているものの一つの類型である。民族は高度にゲマインシャフト共同社会)的な性格をもつ社会集団であるところから、他の集団意識とは異なった、いっそう強い同類意識と、したがってまた他民族に対する差別意識とを主内容とするそれ独自の統合力をもつことになる。[高島昌二]

民族意識の成立

民族は、古代から中世にかけてしだいにその集団的な拡大と統一とを実現するに至ったものであるが、それが大民族として自己を真に意識し、明確な民族的自覚(「われわれ集団」の自己確認)をもつようになったのは、いうまでもなく近代の初頭においてである。そしてこのことを可能ならしめたものは、なかんずく中世末期以来の商品生産と交通の発達、国王の権力の確立、国語の成立、民族内部の戦闘行為の禁止、カトリック教会の分裂などであったろう。これによって、民族構成員たる人々相互の間における全体的な接触交渉が一段と促進され、その集団的な協同と統一とがいよいよ強化されるに及んで、おのずからそこに能動的、自覚的な民族的自意識が成り立つに至ったものである。[高島昌二]

民族意識の内容

民族意識すなわち能動的な民族意識とは、自己民族のもつ独自性についての明確な意識、また自己民族に課せられたと信ずる歴史的使命を果たそうとする能動的、主体的な意欲だとみなされる。こうした民族の集団意志と一体的に結び付いている民族愛の感情は、自己民族のもつ歴史的伝統への揺るぎのない確信として、また未来の問題については、自己民族の果たすべき歴史的使命の優位に対する信仰となって現れる。さらに、こうした民族意志や民族感情をそのまま是認し、しかもこれに対して合理的、思想的なよりどころを与える役割を果たすものが、愛国思想の体系といわれるものである。
 このように民族意識の具体的内容は、意志的、感情的、思考的な三つの側面から分析することが可能である。民族構成員たる人々が、つねに民族中心的な利害や感情、いわゆるエスノセントリズム(ethnocentrism自民族中心主義)にとらわれ、したがってまた彼らの抱く民族的思想は、とかくそれを是認し正当化する傾向が強くなることを認めなければならない。[高島昌二]

民族意識と民族主義

封建的な段階に対応する未発達の潜在的な民族をフォルクVolk(ドイツ語)とよび、近代的な、自覚的に民族的目標を追求する民族をナチオンNation(ドイツ語)とよぶならば、いわゆる民族主義は近代民族の意志的方向に基づいて生誕したものである。ミッチェルリヒWaldemar Mitscherlichが「近代民族なくして民族主義はなく、民族主義がなくては近代民族はない」(「民族と近代民族」1931・『社会学辞典』所収)といったのは、近代民族が一般に民族主義(ナショナリズム)なくしては存立しえないことを指摘したものである。民族主義に生命力を付与するものはネーションの主体的契機ともよばれているところの民族意識にほかならない。ナショナリズムは、「民族意識が一定の歴史的条件のもとに単なる文化的段階から政治的な――したがって『敵』を予想する意識と行動にまで高まった時」(丸山真男(まさお))に初めて出現するものであり、それは本来、「民族の自己防衛と自己主張の態勢」(高島善哉(ぜんや))なのである。
 民族意識は、民族的文化共同体を基礎にして成立するものであるが、それがある機会に他民族の文化との接触(たとえば外国旅行)および他民族との対立抗争(たとえば戦争)といった否定をまって顕在化するものである。民族的否定と自覚とは、自民族とは異なりつつも同列のものと認められる他民族との対比・対立においてのみ生じうる。すなわち民族意識は、自他の諸民族を包括する普遍者としての人類社会を基盤としてのみ生じうるとみなければならない。[高島昌二]
『高田保馬著『民族論』(1942・岩波書店) ▽清水幾太郎著『愛国心』(岩波新書) ▽黒川純一著『民族意識』(国際社会科学協会編『社会意識』所収・1947・二見書房) ▽丸山真男著『増補版 現代政治の思想と行動』(1964・未来社) ▽高島善哉著『民族と階級』(1970・現代評論社)』

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