デービー(Donald Davie)(読み)でーびー(英語表記)Donald Davie

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

デービー(Donald Davie)
でーびー
Donald Davie
(1922―1995)

イギリス詩人、批評家。イギリス北部の炭坑地帯バーンズリーに生まれる。ケンブリッジ大学を卒業後、イギリス国内のさまざまな大学で教鞭(きょうべん)をとったのち、1978年以後アメリカ、バンダービルト大学教授。1950年代のいわゆる「ムーブメント」派とよばれる均整のとれた知的で平明な詩風をもつ詩人の代表的人物であり、現代イギリスでもっとも発言力ある批評家。詩集に『理性花嫁』(1953)、『冬の才能』(1957)、『全詩集1950―1970』(1972)、『全詩集1971―1983』(1984)、集大成としての『全詩集』(1990)があるほか、T・S・エリオットらの20年代モダニスト詩人たちと、D・トマスら40年代の新ロマン主義の詩人たちの詩風を否定しようとする挑戦的意図をもつ『英詩語法の純化』(1952)、『明晰(めいせき)なエネルギー』(1955)などの批評作品がある。しかし、生涯を通じてパウンドに注目してきたが、それにはかなりの変貌(へんぼう)がみられ、『エズラ・パウンド、彫刻家としての詩人』(1964)、『エズラ・パウンド』(1972)を経たのち、『エズラ・パウンド研究』(1991)にまとめられており、注目すべき批評論として『トマス・ハーディとイギリス詩』(1972)がある。またほかに、自叙伝『これらわが友』(1982)もある。95年9月18日没。

[出淵 博]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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