トルコ行進曲(読み)トルココウシンキョク(その他表記)Turkish march

デジタル大辞泉 「トルコ行進曲」の意味・読み・例文・類語

トルコこうしんきょく〔‐カウシンキヨク〕【トルコ行進曲】

モーツァルト作曲のピアノソナタ第11番第3楽章通称。当時流行の異国趣味を取り入れたもの。
ベートーベン管弦楽曲劇付随音楽アテネの廃墟」の第5曲の通称。1811年の作。「創作主題による六つ変奏曲」の主題を転用している。

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精選版 日本国語大辞典 「トルコ行進曲」の意味・読み・例文・類語

トルコこうしんきょくトルコカウシンキョク【トルコ行進曲】

  1. ( 原題[ドイツ語] Türkischer Marsch )
  2. [ 一 ] 一七八三年モーツァルト作曲のピアノソナタ第一一番イ長調K三三一の第三楽章の俗称。
  3. [ 二 ] 一八一一年ベートーベン作曲の管弦楽曲「アテネ廃墟」(作品一一三)の中の一曲。一八〇九年作のピアノのための「六つの変奏曲」(作品七六)の主題を転用したもの。

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改訂新版 世界大百科事典 「トルコ行進曲」の意味・わかりやすい解説

トルコ行進曲 (トルコこうしんきょく)
Turkish march

トルコの軍楽隊メヘテルハーネのリズムを特徴とする音楽。オスマン帝国のヨーロッパ侵攻などの影響で18世紀ごろからトルコ風軍楽隊が各地に誕生した。芸術音楽においても18世紀から19世紀にかけてその語法を取り入れた多くの作品が書かれた。モーツァルトの《ピアノ・ソナタ》(K.331)の第3楽章のトルコ行進曲は最も有名であるが,そのほかモーツァルトの《バイオリン協奏曲第5番》(K.219)もフィナーレにこの語法を取り入れている。また,M.ハイドン付随音楽《ピエタス》(1767)にトルコ行進曲を含み,《ザイール》(1777)にもトルコ組曲が含まれている。ベートーベンにも《トルコ行進曲》と通称されるピアノのための《六つの変奏曲》作品76(1809)があり,その主題は,祝典劇《アテネの廃墟》作品113(1811)のトルコ行進曲にも用いられている。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「トルコ行進曲」の意味・わかりやすい解説

トルコ行進曲
とるここうしんきょく
Türkischer Marsch

モーツァルト作曲のピアノソナタ第11番イ長調(K331)の第三楽章の俗称。アレグレット、イ短調、4分の2拍子で書かれたこの楽章は、当時流行していた異国趣味に倣い「トルコ風のロンド」Rondo alla turcaという標題をもち、その独特な旋律やリズムゆえに、現在では単独で演奏されるほど広く親しまれるようになった。また、ベートーベンのピアノのための六つの変奏曲ニ長調(作品76)の主題も、のちに序曲と八曲からなる付随音楽『アテネの廃墟(はいきょ)』(作品113)に「トルコ行進曲」として転用されたため、この名称でよばれることがある。

[三宅幸夫]

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百科事典マイペディア 「トルコ行進曲」の意味・わかりやすい解説

トルコ行進曲【トルコこうしんきょく】

楽曲名。(1)ベートーベン劇音楽《アテネの廃墟(はいきょ)》(1811年)の第4曲。前身はピアノ独奏用の《トルコ行進曲を主題とする6つの変奏曲》(1809年)。(2)モーツァルトの《ピアノソナタ・イ長調》K.331(300i)の第3楽章〈トルコ風のロンド〉のこと。

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デジタル大辞泉プラス 「トルコ行進曲」の解説

トルコ行進曲

ドイツの作曲家L・v・ベートーヴェンの管弦楽曲。原題《Marcia alla turca》。劇付随音楽『アテネの廃墟』の第5曲。ピアノ編曲版もある。

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世界大百科事典(旧版)内のトルコ行進曲の言及

【軍楽隊】より

…軍楽隊に輸入された楽器は17世紀末から順次オーケストラにも取り入れられた。また行進曲のリズムを模した〈トルコ行進曲〉が数多く作曲されたが,モーツァルト,ベートーベンのものが有名である。 18~19世紀,各国は軍事力の拡張に伴い,軍楽隊はその重要性を増すこととなった。…

※「トルコ行進曲」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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