一曲(読み)いっきょく

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

一曲
いっきょく

舞楽の名。『一鼓 (いっこ) 』とともに「雑楽」などともいわれる特殊な曲で,舞人左方装束を着けて胸に奚婁鼓 (けいろうこ) を吊り,左手に振鼓 (ふりつづみ) を持った者と,右方の装束を着けて胸に一鼓を着けた者の2人で,いずれも右手に (ばち) を持つ。現在では,前奏曲として盤渉 (ばんしき) 調調子および音取 (ねとり) が奏され,当曲 (伴奏曲) としては「鳥向楽 (ちょうこうらく) 」が用いられる。桴を振上げて鼓を打つ手がそのまま舞の手ともなっているが,舞は左方の装束の者だけで,右方の装束の者は単に一鼓を打つだけである。法会舞楽では,行道 (ぎょうどう) に続けて両楽頭が舞う。

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デジタル大辞泉の解説

いっ‐きょく【一曲】

音楽のまとまった作品一つ。または、音楽や舞踊のひとくぎり。
雅楽舞曲。雑楽。寺の行事などの行列の道行きに、左右各一人の舞人が、特殊な鼓(つづみ)を打ち鳴らしながら舞う。

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大辞林 第三版の解説

いっきょく【一曲】

一つの楽曲。 〔副詞的用法の場合、アクセントは [0]
舞楽の一。左方に属する。舞人は左右各一名。左の舞人は鶏婁鼓けいろうこと振り鼓つづみ、右の舞人は二鼓にこを、それぞれ打ち鳴らしつつ舞う。伴奏曲は鳥向楽ちようこうらく

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精選版 日本国語大辞典の解説

いっ‐きょく【一曲】

〘名〙
音楽舞踊の一区切り。また、音楽の曲一つ。
※儀式(872)四「奏風俗楽歌舞一曲退出」
※和漢朗詠(1018頃)上「郷涙数行征戍の客、棹歌一曲釣漁の翁〈慶滋保胤〉」 〔嵆康‐与山巨源絶交書〕
② 舞踊、演奏、詠歌、言語表現などのちょっとした面白味(日葡辞書(1603‐04))。
③ 雅楽の雑舞の一つ。諸寺勅会法事のときなどに、行列の道行に舞うもの。楽には鳥向楽(ちょうこうらく)や慶雲楽(きょううんらく)を用い、二人で舞う。
※教言卿記‐応永一三年(1406)六月一一日「唐人参北山殿云々、如先規伶人等一曲云々」

ひと‐くねり【一曲】

〘名〙
① 一度くねること。ひとまがり。
② ちょっとすねること。
※一言芳談(1297‐1350頃)上「世間を一くねりうらみたる色にて」

ひと‐まがり【一曲】

〘名〙 一度曲がること。〔いろは字(1559)〕
※流人島にて(1953)〈武田泰淳〉「路は、〈略〉一曲りすると一直線に、島の中腹めがけて」

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