ドイツの艀(はしけ)用内陸運河。ルール地方東部のドルトムントよりミュンスターを経て、エムス川河口のエムデンに至る。延長約271キロメートル(エムス川を運河化した区間を含む)。高低差約70メートル。途中多くの閘門(こうもん)があり、積載量約1000トンまでの艀が通航できる。ルール工業地域をエムデン港の後背地にする目的で計画されたもので、1892年着工、1899年に完成した。ライン・ヘルネ運河、ベーゼル・ダッテルン運河を通じてライン川と結ばれ、ミッテルラント運河を介してウェーザー川、エルベ川とも結ばれている。
[青木栄一]
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…大陸では,一時運河に対する評価は低下したが,大陸の河川のもつ大量輸送能力が,内陸河川交通が鉄道と十分に競争しうることを証明し,大型船のための新たな運河が建設された。1899年開通のドルトムント・エムス運河がそれであり,以後中央ヨーロッパの北西部に水路網が形成された。イギリスでは,鉄道の普及後も運河会社は従来の独占的な地位を確保しようとしたが,運河輸送に用いられる船の輸送能力は大陸に比べて小さく,鉄道との競争に敗れて,19世紀半ばにはその約3分の1が鉄道に吸収された。…
※「ドルトムントエムス運河」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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