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ナキウサギ Ochotona hyperborea; Asiatic pica

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ナキウサギ
Ochotona hyperborea; Asiatic pica

ウサギ目ナキウサギ科。体長 10~19cm,体重 150g内外で,外形はテンジクネズミに似る。夏と冬とで毛色が変り,背面が夏は赤褐色,冬は灰色がかった茶色となる。腹側は淡クリーム色。尾はない。日本では北海道大雪山,日高山脈を中心に亜種エゾナキウサギ O. h. yesoensisが岩の多い山地にすんでおり,岩の下に食物をたくわえて,冬の間も冬眠せずに活動している。「ぴちー,ぴちー」という独特の鋭い声を出す。食物は植物質。なお,近縁亜種がシベリアサハリン,ウスリー地方に分布する。

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百科事典マイペディアの解説

ナキウサギ

ウサギ目ナキウサギ科の哺乳(ほにゅう)類の総称。世界に17種が知られ,キタナキウサギは体長13cm,耳は短く,尾はない。シベリア,中国,サハリンなどに分布。日本では亜種のエゾナキウサギ準絶滅危惧(環境省第4次レッドリスト))が北海道の山地〜高山の乾燥した岩場にすむ。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ナキウサギ
なきうさぎ / 啼兎
pika

哺乳(ほにゅう)綱ウサギ目ナキウサギ科に属する動物の総称。ハツカウサギともいう。この科Ochotonidaeの仲間は、北アメリカのロッキー山脈に1種、ウラル以東およびアフガニスタンから中国までのアジア側に15種、計16種が知られている。小形で耳が小さく、退化した尾骨はあるが尾を欠く。歯式は

で合計26本。多くの種は岩の堆積(たいせき)地にすむが、モンゴルやチベットの草原にすむ種もある。北海道のエゾナキウサギはシベリア、中国東北部、樺太(からふと)(サハリン)などにすむキタナキウサギOchotona alpinaの1亜種で、頭胴長11~19センチメートル、夏毛は赤褐色で、冬毛は暗色が強い。低地から高山の湿った岩場にすみ、雌雄で一つの縄張り(テリトリー)をもつ。昼行性で「キチー」または「プチッ」という鋭いよく通る声で鳴く。秋に低木の枝や草木類を大量に集めて岩の間に貯食する。丸い粒状の糞(ふん)を岩の間にまとめてするほか、これとは別の黒いペースト状をした糞をもう一度食べる習性がある。春から夏に繁殖し、1産3~5子を産む。[阿部 永]

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