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ナヒチェバン Nakhichevan'

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ナヒチェバン
Nakhichevan'

アゼルバイジャンに属するナヒチェバン自治共和国の首都。アルメニアの首都エレバンの南東約 130km,イランとの国境近くにある。ノアが建設したという伝説のある古い都市で,紀元前に起源をもち,古代ギリシアの地理学者プトレマイオスもここをナクスアナという名で記した。 13~19世紀にはナヒチェバン・ハン国の首都。 1828年ロシア領となり,ペルシアとの交易の中心地として繁栄。 1924年自治共和国の首都となった。食品 (ワイン,乳製品,油脂) ,家具,煉瓦,建設資材,電機などの工業がある。 12世紀の古い建築物が保存され,歴史・郷土博物館がある。人口6万 1700 (1991推計) 。

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百科事典マイペディアの解説

ナヒチェバン

アゼルバイジャンに属する自治共和国。アルメニアを挟んでアゼルバイジャン本国の飛び地となっており,南はイランとトルコの国境地帯に接する。面積5500km2,人口39万8400人(2009)。

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世界大百科事典 第2版の解説

ナヒチェバン【Nakhichevan’】

ザカフカス,ナヒチェバン自治共和国の首都。アラス(アラクス)川支流のナヒチェバンチャイ川に臨む。人口6万1700(1991)。ザカフカスで有数の古い都市の一つで,起源は前8世紀にさかのぼり,8~10世紀に商業,手工業の中心都市に成長した。13~14世紀にモンゴル,ティムール,17世紀にイランの侵攻,破壊をうけた。18世紀中葉にはナヒチェバン・ハーン国の主都となり,1828年ロシアに併合された。1920年7月28日ソビエト権力が樹立され,24年2月9日にはナヒチェバン自治共和国の首都となった。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ナヒチェバン
なひちぇばん
Нахичеван Nahichevan

アジア南西部、アゼルバイジャン共和国に属する自治共和国。面積5500平方キロメートル、人口33万3200(1997推計)。首都はナヒチェバン(人口6万4300、2002)。[渡辺一夫・上野俊彦]

沿革

ナヒチェバンは、ロシア・イラン戦争後、1828年トルコマンチャーイ条約によりイラン領からロシア領に編入された。1920年7月ナヒチェバン・ソビエト共和国が設立され、23年2月アゼルバイジャン・ソビエト社会主義共和国に属する自治辺区となり、24年2月ナヒチェバン自治ソビエト社会主義共和国に昇格。ソ連崩壊(1991年12月)前年の90年11月ナヒチェバン自治共和国Нахичеванская Автономная Республика/Nahichevanskaya Avtonomnaya Respublikaとなった。[渡辺一夫・上野俊彦]

国土

国土はザカフカス地方南部に位置し、アルメニアをはさんでアゼルバイジャン本国の飛び地となっている。国土の南縁はアラクス川で、イランとの国境となっている。南部は低地、東部はザンゲズール山脈の南西側斜面となっている。平均気温は、平地で1月零下3℃、7月28℃、山地で1月零下14℃、7月25℃(山脈頂上部では5℃以下)。年降水量は平地で200ミリメートル、山地で600ミリメートル。[渡辺一夫・上野俊彦]

住民

1989年国勢調査による民族構成は、アゼルバイジャン人(28万2000、95.9%)がほとんどを占め、ほかにロシア人、アルメニア人などである。なお、前述したようにナヒチェバンはアゼルバイジャンの飛び地になっているが、アゼルバイジャン人居住地域としては、イラン領東アゼルバイジャン州と西アゼルバイジャン州に接しており、飛び地になっているわけではない。実際、1989年末~90年初めに、ナヒチェバンとイランとの国境地帯で、国境開放を掲げるナヒチェバン人民戦線が国境警備隊と衝突し、国境警備施設を破壊するという事件が起こっている。このことは、この地域にイラン、アゼルバイジャン国境を越えた南北アゼルバイジャン統一の欲求が潜在的に存在していることを意味している。[渡辺一夫・上野俊彦]

産業

おもな産業は、鉱工業では、多金属鉱、石炭の採掘、軽工業(生糸生産、毛・綿織物、縫製)、食品加工(食肉・乳製品、たばこ、果実・野菜缶詰、ミネラル・ウォーターなど)、機械、金属加工、木材加工、建築資材生産。農業では、タバコ、ブドウ、果樹栽培、生糸生産などが行われている。首都ナヒチェバンには、食品加工、軽工業、電気機器、電子機器、家具、建築資材生産、岩塩採掘などの鉱工業がある。また、アラクス川本・支流には高い落差を利用した水路式やダム式の発電所がある。鉱泉のある保養地も多く、とくに首都の北部渓谷にあるバダムリБадамлы/Badamlは有名。主要鉄道はトビリシ―(アラクス川河谷経由)―バクー間の幹線1本が国内を通過している。[渡辺一夫・上野俊彦]

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