改訂新版 世界大百科事典 「ナンジャモンジャ」の意味・わかりやすい解説
ナンジャモンジャ
日本各地に〈ナンジャモンジャの木〉と名づけられた樹が知られている。それらは植物学的には特定の種を指すものではなく,その地方で正体がはっきりしない珍しい樹種につけられていることが多く,クスノキ,カツラ,バクチノキ,ヒトツバタゴなどがこの名で呼ばれていた。それらのうち代表的なものにヒトツバタゴがある。これは対馬と中部地方西部に隔離的に分布するが,東京に江戸時代に植えられたものが,ナンジャモンジャとして有名になった。また“正体がはっきりしない”ということで新発見された植物に与えられた名まえにナンジャモンジャゴケがある。1952年に高木典雄によって北アルプスで最初に発見されたもので,コケ植物のなかでは原始的なものである。
執筆者:堀田 満
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報