世界遺産詳解 の解説 ニュージーランドのあなんきょくしょとう【ニュージーランドの亜南極諸島】 1998年に登録された世界遺産(自然遺産)で、ニュージーランドの南から南東、スネアズ諸島、バウンティ諸島、アンティポディーズ諸島、オークランド諸島の4つの諸島とキャンベル島からなる。南緯50度前後に位置するこれらの島々は、生物の多様性、生息数の多さと密度の高さにおいて類をみない。また、鳥類や植物、昆虫などで固有種が多く、種の移動や定着、進化を研究するうえで貴重な地域である。スネアズ諸島の近海で、南極からの寒流と太平洋からの暖流がぶつかり合うため、大量のプランクトンが発生し、多くの魚が集まる。えさが豊富なため、鳥にとっては絶好の繁殖地となり、40種の海鳥を含む120種の鳥類が確認されており、10種のアホウドリと4種のペンギンが繁殖する。スネアズ諸島は、ハイイロミズナギドリの一大繁殖地であり、この地域は絶滅危惧種のニュージーランドアシカの主要な繁殖地である。これらの島々における生物の多様性と手つかずの自然が評価され、世界遺産に登録された。◇英名はNew Zealand Sub-Antarctic Islands 出典 講談社世界遺産詳解について 情報