日本大百科全書(ニッポニカ) 「グリーリー」の意味・わかりやすい解説
グリーリー
ぐりーりー
Horace Greeley
(1811―1872)
アメリカ合衆国のジャーナリスト、政治指導者。2月3日ニュー・ハンプシャー州に生まれる。印刷工、新聞発行人としての経験を積んだのち、1831年ニューヨークに出て、41年ホイッグ系の低廉日刊紙『トリビューン』Tribuneを創刊した。同紙は、反奴隷制、フリー・ソイル運動、保護関税、婦人の権利などについての彼の改革者的立場を伝え、北部世論の形成に大きな影響を与えた。54年の共和党結成に参加。60年、結局はリンカーン指名を支持したものの、南北戦争中は共和党急進派にくみし、リンカーンに批判的立場をとった。戦争後半期には南部連合との和平を策し、戦後は、南部の急進的再建を支持する一方で、南部への寛容を唱えるなど、その態度は転変に富んでいた。72年自由共和党(リベラル・レパブリカン)と民主党の大統領候補として出馬したが、グラントに大敗し、同年11月29日失意のうちに死去した。
[横山 良]