アブラナ科の一・二年草。ハクサイとキャベツとの種間交雑により日本で作り出された新しい野菜で,ハクサイ(白菜)の〈ハク〉とキャベツ(甘藍)の〈ラン〉をとって命名された。ハクサイは体細胞(二倍体)の染色体数20本,キャベツは18本で,その染色体セットはAおよびCゲノムと名づけられている。この両種の染色体数を倍加した四倍体間の交配から,38本の体細胞染色体(ゲノム構成はAACC)を有する複々倍体植物を育成することによって作出されたものである。このゲノム構成はセイヨウアブラナBrassica napusと同じである。ハクサイやキャベツは同じアブラナ属ではあるが,染色体数やゲノム構成が異なっているため,両者を交配してできる雑種の胚は,発達の過程で死滅することが多く,雑種はきわめて得にくい。そこでこの雑種胚を取り出し,胚培養を行い,新植物のハクランが作り出された。ハクランはハクサイとキャベツの中間的な性質をもち,またセイヨウアブラナに結球性をもたせたような特性があり,草勢は強く,栽培しやすい。水分が多く,甘みに富む野菜で,サラダなどの生食やいため物,煮物などいずれにも適し,利用範囲の多い野菜である。
執筆者:平岡 達也
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…【堀田 満】。。…
…油【八木 哲浩】。。…
※「はくらん」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...
12/17 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新