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ハナゴケ

百科事典マイペディアの解説

ハナゴケ

日本に産する代表的な地衣類。高山から低地の地上に生じ,全体灰色で,分枝を繰り返して樹枝状を呈し,高さ約10cm。頂端の分枝の先端に黒色の子器を生ずることがある。

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世界大百科事典 第2版の解説

ハナゴケ【Cladonia rangiferina (L.) Web.ex Wig.】

低山から高山の地上に生えるハナゴケ科の代表的な樹枝状地衣(イラスト)。日当りのよい道端やアカマツ林内にとくに多い。極地方にも多く,トナカイのえさになる。子柄は細く,円柱状で分枝し,分枝のまたに小さい穴がある。先端は褐色で一方に傾く。子器は褐色で直径約0.5mm,子柄の先端につく。 ハナゴケ属Cladoniaは日本に90種以上が知られており,全体に黄色がかるワラハナゴケC.arbuscula (Wallr.) Rabenh.ssp.beringiana Ahtiや,黄色みをおびた丸いコロニーを形成する高山生のミヤマハナゴケC.stellaris (Opiz) Pouz.et Vézdaがある。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ハナゴケ
はなごけ
[学]Cladonia rangiferina (L.) Web.

地衣類ハナゴケ科の一種。低地から高山にまでみられ、地上、岩上などに大きな群落をつくる。地衣体は小さな鱗(うろこ)状で目だたず、子柄(しへい)が大きくなるころには消失する。子柄は高さ3~10センチメートル。中心になる太い軸には多数の枝が出るが、枝の先は細く、同じ方向に傾く。子柄の表面は滑らかで、灰白色。子器は子柄の枝の頂端にまれにつく。北極圏ではトナカイの飼料に利用される。また、日本ではショーウィンドーの飾りなどに用いられている。北半球に広く分布し、日本では北海道から九州にかけて普通にみられる。
 ハナゴケ科ハナゴケ属のなかの石蕊(せきずい)群とよばれる群を総称してハナゴケreindeer lichenということもある。いずれも子柄がよく発達し、分枝が多く、子器は枝の先につき、小さい。地衣体は、子柄を残して早くに消失する。この群の分類は、分枝の仕方や化学成分の相違によって行われる。日本で知られているのは7種ほどであるが、北極圏には多く、地表一面がこのハナゴケで覆われることもある。いずれもトナカイの飼料として重要である。以下、石蕊群に含まれるおもな種を示す。
(1)ワラハナゴケC. arbuscula (Wallr.) Rabh. var. beringiana Ahti ハナゴケによく似ているが、子柄が黄色を帯びる。低地から高山にかけて生育し、日本では北海道から四国にやや普通にみられる。また、北アメリカ、シベリアにも分布する。
(2)ミヤマハナゴケC. stellaris (Opiz) Pouzar et Vzda 高山帯に多く生育する。子柄の分枝が著しく、かつ、枝がほぼ同じ長さで放射状に分枝するため、全体としては丸みをもった形となる。子柄全体(とくに先端部)は黄色を帯びる。日本では北海道から本州中部にかけてみられる。また、アジア北東部、北アメリカにも分布する。
(3)ホソハナゴケC. tenuiformis Ahti ハナゴケによく似た種類であるが、子柄が暗緑灰色で、枝の長さはやや不同。日本では本州北部にみられる。また、ロシア連邦(ウスリー川周辺)、朝鮮半島、台湾にも分布する。[井上 浩]

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