日本大百科全書(ニッポニカ) 「ショーウィンドー」の意味・わかりやすい解説
ショーウィンドー
しょーうぃんどー
show window
商品陳列窓をいう。ヨーロッパでは、商店内を見せていた窓が、徐々に展示に重点を置いたものへと移行していったと考えられるが、18世紀の商店にはすでにくふうされたショーウィンドーの例がみられる。日本では19世紀末または20世紀初めごろから、欧米の影響を受けながらショーウィンドー付き店舗が建てられるようになった。これは小売店経営の近代化を背景とし、座売り方式から陳列方式への販売方式の変化に対応するものでもあった。今日では、単なる商品展示だけではなく、専門のディスプレーデザイナーによるさまざまな表現手法の展開がみられるほか、設置場所が実際の店舗とは離れたアイランドウィンドーとよばれるもの、あるいは展示専用室としてのショールームなどが各地でつくられるようになっている。また、営業時間の短い欧米では、閉店後の展示を重視した店舗設計が行われ、全面ガラス張りとし照明をくふうするとともに、間口以上に展示面を確保するため平面が凹型となるようなショーウィンドーを設置し、後日の来客を獲得しようとする動きもみられる。
[髙田光雄]