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ハートウェル ハートウェルHartwell, Leland H.

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ハートウェル
Hartwell, Leland H.

[生]1939.10.30. ロサンゼルス
アメリカ合衆国の分子生物学者。1961年カリフォルニア工科大学卒業後,1964年マサチューセッツ工科大学で博士号を取得。カリフォルニア大学アーバイン校,ワシントン大学を経て,1997年にフレッド・ハッチンソン癌研究センター所長。細胞分裂という生物の最も基礎となる現象の分子生物学的解明の筋道をつけた。最も原始的な真核生物であるパン酵母(サッカロミセス・セルビシエ)の突然変異体をつくり,細胞分裂にかかわる遺伝子を探し,細胞分裂に先立ってデオキシリボ核酸 DNAの複製開始を受け持つ遺伝子 cdc28(cdcは細胞分裂周期 cell division cycleの頭文字)を発見した。さらに細胞の DNAに異常が起こった場合に周期をいったん停止するチェックポイントという仕組みも明らかにした。細胞分裂のアクセルとブレーキを見つけたことになり,癌研究などに大きな影響を与えた。2001年細胞周期の制御機構の発見で,ポール・M.ナース,R.ティモシー・ハントらとともにノーベル生理学・医学賞を受賞。このほかラスカー賞(1998)など受賞多数。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ハートウェル
はーとうぇる
Leland H. Hartwell
(1939― )

アメリカの生化学者。ロサンゼルス生まれ。カリフォルニア工科大学でH・M・テミン(1975年ノーベル医学生理学賞受賞)のもとで研究、1961年に卒業。マサチューセッツ工科大学に進学し遺伝子制御機構の研究を行い、1964年に博士号取得。細胞増殖機構の研究に方向をかえ、ソーク研究所のR・ダルベッコー(1975年ノーベル医学生理学賞受賞)のもとでポリオウイルスによる細胞感染機構について研究。1965年よりカリフォルニア大学アーバイン校の準教授。ここで、細胞増殖機構を遺伝的に解析するための真核細胞モデルとして出芽酵母をみいだした。1968年にワシントン大学に移り、数多くの細胞サイクルの変異体を作製した。これらの変異体の解析により100をこえる細胞サイクルの制御にかかわる「CDC遺伝子群」を同定し、このなかのCDC28は細胞サイクルのG1期進行の最初のステップを制御する遺伝子であり、スタート遺伝子ともよばれている。また、放射線照射によりDNAが被害を受けると、DNAが修復されるまで細胞サイクルが停止する現象をみいだし、これをチェックポイント仮説として提唱した。これらの業績により、P・ナース、T・ハントとともに2001年のノーベル医学生理学賞を受賞。1997年より2010年までフレッド・ハッチンソン癌(がん)研究センター所長を務めた。[馬場錬成]

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