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バセドウ病 ばせどうびょう Basedow disease

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知恵蔵2015の解説

バセドウ病

免疫の異常により起こる自己免疫疾患。血液のなかに自分の甲状腺を攻撃する物質(自己抗体)ができ、そのために甲状腺が肥大し、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されて甲状腺機能亢進(こうしん)症を起こす。
甲状腺ホルモンは、全身の代謝を促す働きをするホルモンである。これが過剰に分泌されると新陳代謝が活発になり、脈拍が速くなったり、異常に汗をかくようになったりする。動悸(どうき)や息切れしやすい、疲れやすい、暑がりになる、などもバセドウ病の特徴である。
先日、バセドウ病で闘病中であることを発表した歌手の絢香も、動悸や息切れにより歌うことが困難だったとコメントしている。
この他、手が震える、食欲はあるのにやせる、月経不順、無月経、不妊などの症状が出ることがある。精神的には、いらいらしやすく、感情的になりやすい、集中力低下などの特徴が見られる
また、顔つきがきつくなる、眼がぎらぎらと輝くなどの容貌(ようぼう)の変化が表れ、病気が進行すると眼球が飛び出たような症状が出ることもある。首の付け根にある甲状腺が腫れて、首が太くなったように見えることもある。
バセドウ病は、遺伝的素因と環境的な要素が組み合わされて発症すると考えられている。遺伝的にバセドウ病になりやすい人が、精神的な打撃や大きなストレスを受けたときに発症しやすいと言われる。15~50歳の女性に多く、男性よりも女性の発症率が高い。
治療法は、薬による治療、手術による治療、放射線治療の3種類がある。特に事情がない限りは薬物療法が第一選択となる。薬物療法による治療は長期(1~2年以上)にわたるが、病気を正しく理解し、適切な治療を受ければ普通に生活できる病気である。
ただし、治療をしないでいると、心臓や他の臓器に過度のストレスを与えることになり、突然甲状腺の機能が極端に亢進され、致死的な不整脈ショック症状を起こす「甲状腺クリーゼ」を引き起こすこともあるため、気になる症状があれば、早めに医療機関に相談することが大切である。

(星野美穂 フリーライター / 2009年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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栄養・生化学辞典の解説

バセドウ病

 グレーブス病ともいい,甲状腺機能亢進症の一つ.頻脈,多汗,ふるえ,眼球突出などの症状を呈する.甲状腺にはびまん性腫瘍を有する.原因は甲状腺刺激ホルモンに対する自己抗体ができることとされる.

出典|朝倉書店
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

バセドウ病
ばせどうびょう

甲状腺(せん)がほぼ一様に腫(は)れて、そこからホルモンが大量に分泌されるためにおこる疾患で、約半数は眼球突出を伴う。ドイツの医師バセドウが最初に報告したので、この名がつけられた。
 男女比は一対四くらいで女性に多く、20~30歳代に多い。わが国には患者が数万人いると考えられる。原因は不明であるが、最近は、自己免疫により甲状腺を刺激する抗体が出現するためと考えられている。症状としては、動悸(どうき)、発汗、手指の震え、だるさ、体重減少、食欲亢進(こうしん)、精神的不安定、不眠、微熱、下痢、月経不順などがあげられる。診断には、血中の甲状腺ホルモン(サイロキシンとトリヨードサイロニン)の測定が用いられる。
 治療としては、内科的に抗甲状腺剤(メルカゾール、チウラジールまたはプロパジール)を服用すると2~3か月で症状はほぼ消失し、1年くらい服用を続けると、中止後も約半数は治癒する。そのほか、対症療法としてはβ(ベータ)遮断剤が用いられる。薬剤で治療しないときには、放射性ヨードを服用すると、その大部分が甲状腺に集まり、甲状腺細胞がその放射線によって破壊されるので、ホルモン分泌が減少して治癒状態になる。しかし、若い人では将来放射線障害のおそれがあるので、外科的に甲状腺の大部分を切除してホルモン分泌を減少させる方法が行われている。[鎮目和夫]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
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