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バビロニア=アッシリア文学 バビロニア=アッシリアぶんがくBabylonian and Assyrian literature

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

バビロニア=アッシリア文学
バビロニア=アッシリアぶんがく
Babylonian and Assyrian literature

アッカド語 (古代アッシリアおよびバビロニアの言語) で書かれた文学。アッカド語は,書き記されたセム系言語の最古のもので,比較言語学上重要な意味をもつ。書法は,史上最古の書き言葉であるシュメール語より借用。書き言葉としてのシュメール語は,1世紀にほぼアッカド語の実用がすたれるまで存続していたが,チグリス,ユーフラテス両大河地方に開花したバビロニア=アッシリア文化のなかで,アッカド語は日常語として,前3千年紀頃からシュメール語に取って代るようになった。記録の多くは,文学的興味よりも言語学的,歴史学的興味を引起すのであるが,その一例として王碑文がある。「ある神に対し,某市の王,甲の子,乙がこの器を奉納す」,または「この神殿を建立」という形式で,アッシリア人はこれを発展させ,『年代記』として王の年ごとの遠征記録を残している。これはおもに歴史資料として重要視されている。ほかに神話,叙事詩,賛歌,知恵文学 (箴言) などのジャンルがあり,文献は前 2500年頃までさかのぼれる。神話では『イシュタルの冥界下降』が知られる。最も重要な作品として『エヌマ・エリシュ』および『ギルガメシュ叙事詩』がある。前者は,バビロンの市神マルドゥクが,いかにして邪悪なティアマトを討ち,その身体から世界を創造し,秩序を定めたかという物語。後者はシュメールの英雄ギルガメシュとその友エンキドゥの冒険物語。シュメール語のいくつかの短編を統合し,さらに発展させたもので,聖書のノアの洪水物語に類似した『ウトナピシュティムの洪水物語』が挿入されている点が大きな注目を集めた。この叙事詩は,小アジア方面に流布し,聖書ばかりでなく,海洋放浪譚としてギリシア神話『オデュッセイア』にも影響を与えたとみられている。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について | 情報

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