ギルガメシュ叙事詩(読み)ギルガメシュじょじし(英語表記)The Epic of Gilgamesh

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ギルガメシュ叙事詩」の意味・わかりやすい解説

ギルガメシュ叙事詩
ギルガメシュじょじし
The Epic of Gilgamesh

バビロニア=アッシリア文学のなかで最も重要な作品の1つ。古代メソポタミアの有名な英雄ギルガメシュの物語の集大成アッカド語で記された文献は,ニネベのアッシュールバニパルの図書館跡出土の 12枚の書板がおもなもので,欠損部分は,メソポタミア各地およびアナトリアで発見された多くの断片により補足されている。この原型というべきシュメール語の断章が,前2千年紀前半に書き残されている。歴史上のギルガメシュは,前3千年紀前半にウルクを支配した実在の人間で,キシュの支配者アッガと同時代であるとされている。しかし,詩のなかには史実と思われることは述べられていない。親友エンキドゥが,女神イシュタルの怒りに触れ,12日間の病気で苦しんだ末に没したことから,ギルガメシュが不死を求めて放浪する,というのが本編の主要テーマ。

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