バリ・ロードマップ(読み)ばりろーどまっぷ(英語表記)Bali roadmap

知恵蔵 「バリ・ロードマップ」の解説

バリ・ロードマップ

京都議定書の第1約束期間の終了する2013年以降の削減目標を09年のCOP15(コペンハーゲン)で決定するための「工程表」(ロードマップ)で、インドネシアバリ島で行われたCOP13(07年12月)で合意されたために、「バリ・ロードマップ」と呼ばれる。 「気候変動に対応するための長期的協力の行動に関する対話」の終了に伴い、すべての締約国が参加して13年以降の実効ある新たな枠組みを検討するための検討の場を条約の下に立ち上げるべく協議が行われ、枠組条約の下に、新たに特別作業部会(AWG)を設置し(2トラックアプローチ)、09年までに合意を得て採択することなどに合意した。その際の議論において考慮される点として、(1)排出削減に関するグローバルな長期目標の検討、(2)すべての先進国による計測・報告・検証可能な緩和の約束又は行動(先進国間の取り組みを比較できるようにする)、(3)途上国による計測・報告・検証可能な手法での緩和の行動、(4)森林、(5)セクター別アプローチ、(6)排出削減と様々な活動との統合、(7)小島嶼(とうしょ)国などの脆弱(ぜいじゃく)な国への支援に関する国際協力、(8)革新的技術開発の協力、(9)資金協力、などが明記された。初回のAWGは、08年3月〜4月に開催することで合意した。

(飯田哲也 環境エネルギー政策研究所所長 / 2008年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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