バンテアイ・スレイ(英語表記)Banteay Srei

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バンテアイ・スレイ」の意味・わかりやすい解説

バンテアイ・スレイ
Banteay Srei

カンボジアアンコール遺跡群から北東に 40km離れ,孤立して建っているヒンドゥー教寺院。 967年摂政役の王師ヤジュニャバラーハが菩提寺として建立した。周囲約 400mの小寺で,三重の周壁に囲まれ,東が正面。バンテアイ・スレイの名は「女の砦」を意味するといわれ,紅色砂岩とラテライトを積上げた建築は,アンコール中心部の巨大な遺跡に比べると,はるかに瀟洒,繊細な表現である。この建築外部に施された装飾彫刻はアンコールの彫刻としてはかなり彫りが深く,立体感が強くて丸彫りに近い。若き日の A.マルローが発掘しようとして逮捕され,のちに『王道』に著わしたデバター像 (神像) は,「東洋モナリザ」と呼ばれている。

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