パルミラ遺跡(読み)パルミラいせき(その他表記)Palmyra

共同通信ニュース用語解説 「パルミラ遺跡」の解説

パルミラ遺跡

東西文明を結ぶシルクロードの難所シリア砂漠のオアシスで、紀元前1世紀~紀元3世紀に栄えた都市の跡。ギリシャローマペルシャ古代文明と地元文化が融合した都市を貫く列柱道路や神殿などの跡が残る。過激派組織「イスラム国」(IS)が2015年5月に武力制圧し、その後バール・シャミン神殿、ベル神殿凱旋がいせん門などを破壊した。シリアのアサド政権軍は16年3月、ロシア軍の支援を受けて遺跡を含むパルミラ全域を奪還した。(共同)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「パルミラ遺跡」の意味・わかりやすい解説

パルミラ遺跡
パルミラいせき
Palmyra

シリア南部,ダマスカスから北東約 210kmのシリア砂漠にあるローマ時代の都市遺跡。前1世紀頃からユーフラテス川地中海を結ぶ貿易路の中間に位置するオアシス都市タドモルとして繁栄した。3世紀には小アジアからエジプトにまたがる隊商帝国を形成した女王ゼノビアがローマからの独立を宣言したが,ローマのアウレリアヌス帝によって滅ぼされた。残存する遺構コリント式オーダーのバール神殿(ベル神殿)をはじめ,バール・シャミン神殿,列柱通路,四面門,アゴラ,墓地などで,ヘレニズムの建築様式(→ヘレニズム文化)を示している。この時代の墳墓は塔状の住居型墓と地下式墓がある。墓には死者の胸像神像などを高浮彫(→浮彫)で表現したものが多く,東西両文明の影響を物語っている。1980年世界遺産の文化遺産に登録。観光地として人気を集めていたが,2011年に勃発したシリア内戦激化をうけ,2013年危機遺産に登録された。2015年,過激派組織「イスラム国」によってバール神殿,バール・シャミン神殿,列柱通路の凱旋門などが爆破された。(→パルミラ

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