改訂新版 世界大百科事典 「シリア砂漠」の意味・わかりやすい解説 シリア砂漠 (シリアさばく)Bādiya al-Shām アラビア砂漠の北部にある三角形の台地。シリア,イラク,ヨルダン,サウジアラビアにまたがるが,明確な境界はない。三角形の頂点はアレッポ近くまでのびバーディヤ・アッラサーファBādiya al-Raṣāfaと呼ばれ,底辺の西部はハマードal-Ḥamād,東部はバーディヤ・アッシャームBādiya al-Shāmと呼ばれている。オアシス,湧水,井戸などがあり歴史的に東西交通路として利用された。灌木やわずかながら草が生え,遊牧民や半遊牧民の放牧地となっている。三角形の底辺周辺は水もなく不毛でおもに礫砂漠となっている。執筆者:木村 喜博 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報 Sponserd by
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シリア砂漠」の意味・わかりやすい解説 シリア砂漠シリアさばくSyrian Desert アラビア語では,東方砂漠を意味するバーディヤト・アッシャーム。アラビア半島のサウジアラビアの北部から,ヨルダン東部,シリア南部,イラク西部に広がる砂漠地帯で,標高 500mまでの高原をなし,南部は一般にハンマーダと呼ばれている。年降水量は 125mm以下。砂の砂漠ではなく,大部分は溶岩や岩石におおわれた不毛の地で,古来から地中海側のレバント地方とメソポタミア間の通りがたい障壁であった。現在は幹線道路や石油パイプラインが砂漠を横断している。住民として遊牧民やアラブ馬の飼育者らがいるのみである。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by
日本大百科全書(ニッポニカ) 「シリア砂漠」の意味・わかりやすい解説 シリア砂漠しりあさばくSyrian Desert 西南アジアのアラビア台地北部に横たわる砂漠。アラビア語ではバディエト・エ・シャムBadiet esh Shamという。シリア、ヨルダン、イラク、サウジアラビアの4か国にまたがり、面積26万平方キロメートル。ルワラ人など、アラブ系遊牧民が生活するほか、イラク、サウジアラビアの油田から地中海岸に向けてのパイプラインや、バグダード―ダマスカス間の自動車道路が通過している。パルミラなどの遺跡もある。[末尾至行] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例 Sponserd by