最新 地学事典 「パーサイト」の解説
パーサイト
perthite
アルカリ長石中でのKAlSi3O8成分に富むアルカリ長石が各種形状のNaAlSi3O8成分に富む長石を含んでいる2相長石組織。アルカリ長石系列でのソルバスの存在に起因。ソルバスはKAlSi3O8-NaAlSi3O8-CaAl2Si2O8三成分系においてはドーム状球面。ソルバスには,spinodal・strain-controlled・strain- freeの3種があり,この順に分離2相の組成幅が広がる。分離(離溶)した2相の幅により電子顕微鏡サイズのクリプトパーサイト(火山岩〜深成岩ほか),顕微鏡サイズのマイクロパーサイト(深成岩・変成岩),肉眼サイズのマクロパーサイト(ペグマタイト)に分類。顕微鏡サイズ以上のパーサイト組織は極めて不規則多様な形状でマイクロないしパッチパーサイトと一括されることも。2相の量比が同じ程度のものはメソパーサイト,NaAlSi3O8成分に富む長石の量が多いものをアンチパーサイトという。深成岩中のアルカリ長石では,KAlSi3O8成分に富む長石の(601)面〜(801)面(Murchison plane)に沿う細かい葉片状とより大きなパッチ状のAbに富む長石が不規則に分布しているのが一般的。前者は離溶組織,後者は熱水の溶解-再沈殿の機構による交代組織とされる。これらのさまざまなパーサイト組織は同時晶出・離溶・交代作用など多様な地質過程の記録である。
執筆者:諏訪 兼位・中野 聰志
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

