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ヒッポクラテス

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百科事典マイペディアの解説

ヒッポクラテス

古代ギリシアの医学者。エーゲ海のコス島の生れ。観察と実際の経験をもとにして経験科学としての医学の基礎を築き,また医師の倫理を強調し,〈医学の父〉と呼ばれる。病気は4種類の体液の混合に変調が生じたときに起こるという体液説を唱えた。

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世界大百科事典 第2版の解説

ヒッポクラテス【Hippokratēs】

前460‐?
古代ギリシアの医学の大成者。ソラノスの伝によると,彼は前460年にコス島で生まれたとされる。父のヘラクレイデス,ついでへロディコスから医術を学んだ。両親の死後コスを離れ各地を旅して医療活動を行い賞賛を得た。ペロポネソス戦争のときにはアテナイをはじめとする諸都市を疫病から救い,アテナイの市民権を与えられた。テッサリアラリッサの付近で死んだが,その年齢として85歳,90歳,104歳,109歳の4説が伝えられ,また別に83歳説もある。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ヒッポクラテス
ひっぽくらてす

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
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世界大百科事典内のヒッポクラテスの言及

【医学】より

…ヒトは火を用いて調理をおこなうが,生食に比べて,調理されたものは,より健康維持のために有利である。このことから,ヒッポクラテスは医学の起源を論じて,調理術こそそれであるとした(《古い医術について》)。また,体毛の乏しいヒトは,雨露や寒暑を防ぐために衣服を発明し,家屋をつくることを工夫した。…

【疫学】より

…このような疫学の歴史的変化は近年さらに進んで,いまではいわゆる病気だけではなく,交通事故,労働災害,不慮の事故,自殺,アルコール中毒,大気・水質・土壌・食品の汚染による健康破綻(はたん),離婚なども対象とする本来の疫学に立ち戻っている。epidemiologyは,ヒッポクラテスによってギリシア語のepi(〈~の上に〉の意)‐dēmos(〈人々〉の意)‐logos(〈学〉の意)から造られた語に由来するといわれている。 疫学の起源は古くヒッポクラテスまでさかのぼることができ,ヒッポクラテスは気候・地形などの自然環境に注目して地域の住民の体格・性格・疾病などの特徴を記述している。…

【ガレノス】より

…古代においてヒッポクラテスに次ぐ最も著名な医学者。古代の医学を集大成し,以後17世紀に至るまで西欧における医学の権威として崇められ,アラビア医学にも絶大な影響を与えた。…

【環境】より

…西欧語の訳語として広く使用されるようになったのは,近年のことである。環境という言葉こそ使わなかったが,ヒッポクラテスはすでに紀元前に〈空気,水,場所について〉という論文において,病気の発生に及ぼす環境の影響について詳しく論じている。 現代的な意味での環境という語の使用はA.コントのミリューmilieuに始まる。…

【ギリシア科学】より

…このアリストテレスの考え方は,デモクリトスの原子論の機械論的自然観に対する,生物学的な生気論的自然観であり,彼はリュケイオンLykeionの学校でこうした自然観に基づく研究を広く推し進め,テオフラストスらの弟子たちを生み出していった。同じ時期に,アテナイにおけるこうした自然学とは別に発展したギリシア科学のもう一つの重要な流れは,小アジア沿岸のコス島を中心に発達したヒッポクラテスの医学である。ヒッポクラテス自身はソクラテスと同時代の人であるが,いわゆる《ヒッポクラテス全集》は,彼自身の著作だけでなくアリストテレスの時代にまで至る多様なものを含んでいる。…

【ギリシア文学】より

…人間世界のできごとを収録し,その因果を究明するという壮大な知的展望のもとに繰り広げられる彼の《歴史》の文章は,その明快優美な流れのゆえに,ギリシア散文体文学の最高傑作の一つに数えられる。 イオニア散文の今一つの雄は,医学者ヒッポクラテスの《医学論集》である。ここには医学史や,今日でも職業的医師の倫理綱領となっている〈ヒッポクラテスの誓い〉,〈神聖病〉と呼ばれていた癲癇(てんかん)の病理的究明,風土・体質・病気・文明の相関を論じた環境論などが含まれており,同時代の叙事詩や演劇詩,また歴史記述などとはまったく別個の角度からの人間論が,明晰な文章でつづられている。…

【外科】より

…現代でも内科医はドクターdoctor,外科医はミスターMr.という称号で区別して呼ばれている。 古代からの魔術的医術を科学的基礎をもった医療へ転換させたのは古代ギリシアのヒッポクラテスである。彼は病理学,生理学,診断学のみならず,外科に関連した分野においても著しい業績をあげた。…

【心】より

…心を心臓とほとんど同一視するという点ではヨーロッパでも同様で,英語のheart,ドイツ語のHerz,フランス語のcœurなどがすべて心と心臓の両方を意味するのも,そのなごりと思われる。ただし,医学思想の発展をみた古代ギリシア・ローマ期では,ヒッポクラテスが〈脳によってわれわれは思考し,見聞し,美醜を区別し,善悪を判断し,快不快を覚える〉と記して以来,心の座を脳や脳室に求める考えが支配的になり,この系譜はルネサンス期をへて19世紀初頭のF.J.ガルの骨相学にまで及んでいる。 心の問題を身体的局在説の迷路から解き放ち,思惟を本性とする固有の精神現象として定立したのはフランスのデカルトで,彼がいわゆる松果腺仮説を提出したのも,心身の相関をそれで説明しようとしたものにほかならない。…

【コス[島]】より

…前366‐前365年に新市が建設され,ヘレニズム時代の前半にはプトレマイオス王朝,後半にはローマと友好関係を保った。前5世紀の医学の祖ヒッポクラテスが医学校をこの地で開いたことにちなみ,前4世紀には医神アスクレピオスの壮大な神域が建設された。【馬場 恵二】。…

【手術】より

… しかしながら古い時代の医療は,いずれも経験だけによって築き上げられたもので,むしろ魔術的要素も多く,科学としての体系をもたなかった。このような魔術的医術は,やがて古代ギリシアのヒッポクラテス(前460ころ‐前375ころ)の出現によって,科学的基盤をもった医療へと転換することになったのである。ヒッポクラテスは外科を科学的に考え,外科治療のみならず消毒法,病理学,生理学,診断学の面でも数多くの業績を残した。…

【生薬】より

…製剤としては香料,化粧,吸入剤やかぎ薬,うがい薬,丸薬,トローチ,軟膏などが加わった。 ギリシアでは医学の父といわれるヒッポクラテスがゲンチアナ,大黄,コニウム(ドクニンジン),コロシント(コロシントウリ)など300~400品目をあげている。その中の30以上は苦味健胃に用いられる。…

【神聖病】より

…とつぜん倒れて全身が痙攣(けいれん)する発作を,当時の呪術的世界観から〈神の意思が働いて生じたもの〉と解釈したのでこの名があり,実際その治療法としては浄(きよ)めや祈禱が幅をきかせていた。これに対してヒッポクラテスが〈この病気はとくに神的でも聖なるものでもなく,自然の原因で起こる〉(《神聖病について》)と批判したのは有名である。【宮本 忠雄】。…

【精神医学】より

…したがって病気を癒やすためには,巫術,呪文,祈禱,歌,踊りなど,各種の呪術的方法を用いるのが自然だった。こうした超自然的疾病観に自然的疾病観で対抗しようとしたのが古代ギリシア・ローマの医学で,たとえばヒッポクラテスは早くも前5世紀後半その《神聖病論》で,癲癇(てんかん)の原因が神や聖なるものではなく脳にあることを主張した。そのほか,今日の鬱(うつ)病と躁病にあたるメランコリアmelancholiaとマニアmaniaについても体液説の視点から解明を試みている。…

【聴診】より

…聴診が最も使われるのは心臓と呼吸器疾患の診断の際である。 聴診の歴史は古く,ヒッポクラテスの書物の中に,死の際に胸部に耳を押しつけると聞こえる〈酢がたぎるようなかすかな音〉や胸膜炎のときの〈革ひもをこするような音〉が記載されている。18世紀初め,R.フックは,心臓の鼓動や腸のガスの動き,肺や関節の音についてふれ,〈体の内部の動きを,そこから発する音によって知ることができよう〉と予言した。…

【農事暦】より

…また《農と暦》の季節の目印がギリシアのどの地域の農事に最も適していたものかも不明である。古代ギリシアにおける農事暦的な基礎知識は一般市民の共有財であると同時に,ヒッポクラテスなどの医学者が風土病や季節ごとの変り目に生ずる疾患を扱う場合にも重要な資料となっている。また前5世紀末の歴史家トゥキュディデスの編年体(《戦史》)の準拠する四季の巡回も,春の穀物生育過程(〈麦の穂の熟れたころ〉のように)によっているが,これは戦争もまた農事暦を顧みて実行されていたことを告げている。…

※「ヒッポクラテス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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