デシーカ

デジタル大辞泉 「デシーカ」の意味・読み・例文・類語

デ‐シーカ(Vittorio De Sica)

[1902~1974]イタリア映画監督俳優。トーキー時代から二枚目スターとして活躍し、第二次大戦後「靴みがき」「自転車泥棒」などネオレアリズモ秀作監督ほかに「終着駅」「ひまわり」などを監督。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「デシーカ」の意味・読み・例文・類語

デ‐シーカ

(Vittorio De Sica ビットリオ━) イタリアの映画監督、俳優。第二次大戦後のネオレアリズモの代表者一人。監督作品に「自転車泥棒」「ミラノ奇跡」、出演作品に「ロベレ将軍」など。(一九〇二‐七四

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「デシーカ」の意味・わかりやすい解説

デ・シーカ
Vittorio De Sica
生没年:1901-74

イタリアの映画監督。第2次世界大戦後,《靴みがき》(1947),《自転車泥棒》(1948)の2作でロベルト・ロッセリーニと並ぶ〈ネオレアリズモ〉の最大の監督となった。《子供たちは見ている》(1942)から《ミラノの奇蹟》(1950),《ウンベルト・D》(1952),《終着駅》(1953),《ふたりの女》(1960)等々に至る代表作のすべてが脚本家のチェーザレ・サバティーニコンビを組んだもので,サバティーニの主張した〈日常性のネオレアリズモ〉はむしろデ・シーカとの共同作業によって形成されていったものとみなすことができる。銀行員を父に,ソーラで生まれ,子どものころからの芝居好きが高じて,1922年,タチアーナ・パブロワ劇団に入り,舞台俳優の道を歩んだ。27年,映画界入りし,二枚目の人気俳優になり,監督になってからも,ロベルト・ロッセリーニ監督《ロベレ将軍》(1959)など,幾多の主演映画がある。《昨日・今日・明日》(1964)などソフィアローレンとマルチェロ・マストロヤンニ主演の艶笑喜劇を大ヒットさせるかたわら,晩年の傑作《悲しみの青春》(1970)では《ミラノの奇蹟》以来の変わらぬ繊細でみずみずしいいぶきを感じさせた。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のデシーカの言及

【自転車泥棒】より

…1948年製作のイタリア映画。〈日常性のネオレアリズモ〉を主張した脚本家チェーザレ・ザバッティーニとビットリオ・デ・シーカ監督のコンビの最高傑作とうたわれる名作。失業という終戦直後の社会的現実を反映したテーマ以上に,ひとりの男が盗まれた自転車を捜し求めて24時間の間都会の中をさまよい歩く姿をドキュメンタリーのようにとらえてみせたその〈リアリズム〉が,映画の〈物語性〉〈ドラマ性〉を剝奪することによって〈シネマトゥルギー〉を変革したといわれ,その後数え切れないほどの模倣作品を生んだという意味でも世界中にもっとも大きな影響を与え,戦後の映画史を形成する最初のもっとも重要な作品となった。…

【ネオレアリズモ】より


[誕生と発展]
 戦後のイタリアでは,ナチス・ドイツ軍の過酷な弾圧に対する抵抗運動や貧困と生活苦などをテーマにした数々のイタリア映画の傑作が生まれた。ロベルト・ロッセリーニ監督《無防備都市》(1945),《戦火のかなた》(1946),ビットリオ・デ・シーカ監督《靴みがき》(1947),《自転車泥棒》(1948),ルキノ・ビスコンティ監督《揺れる大地》(1948),等々である。これらの作品に共通する現実告発の厳しい態度ときわめてドキュメンタリー的な撮影方法,主人公は貧しく,主としてしろうとを使い,ロケを主体とする現場主義,即興的演出(同時録音はせずに,せりふもすべてアフレコだった),生きたスラングや方言の採用,さらにクローズアップを少なく,ロング・ショットを多用したこと等々に対して,人々は新しいリアリズムの誕生という意味で〈ネオレアリズモ〉と呼んだ。…

※「デシーカ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android