ビャクブ科(読み)ビャクブか

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ビャクブ科」の意味・わかりやすい解説

ビャクブ科
ビャクブか
Stemonaceae

単子葉植物ユリ目の1科。アジア東部から南部,オーストラリア北部,北アメリカ東部に分布し,3属 30種ほどが知られる。いずれも多年草で,長い根茎球茎より直立した茎あるいはつるを出す。葉は互生,対生,または輪生し,平行脈が目立つ。花は葉腋に単生,または総状につき,放射相称型を示す。花被は2枚ずつ内外2輪に配列し,4本のおしべと1または3本の花柱をもつ。子房上位で,蒴果となる。ビャクブ Stemonaナベワリ CroomiaStichoneuronの諸属がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ビャクブ科」の意味・わかりやすい解説

ビャクブ科
びゃくぶか
[学] Stemonaceae

単子葉植物。直立またはつる性の多年草。根茎は横に長くはうか、短くて先に束生する塊根をつける。葉は単純で、幅は広く、5~11本の主脈が目だつ。花は両性で放射相称、二数性で、内外の花被(かひ)片は同質でほぼ同形である。雄しべは4本。雌しべは二心皮からなり一室、子房は上位または半下位。果実は蒴果(さくか)。東アジア、マレーシア、オーストラリア北部に4属約35種あり、アメリカ南東部にナベワリ属1種が分布する。日本にはナベワリ属のナベワリとヒメナベワリなど5種が自生し、ビャクブ属の数種が薬用として栽培される。APG分類でもビャクブ科とされる。

[清水建美 2018年10月19日]

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