フシグロセンノウ(読み)ふしぐろせんのう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「フシグロセンノウ」の意味・わかりやすい解説

フシグロセンノウ
ふしぐろせんのう / 節黒仙翁
[学] Silene miqueliana (Rohrb.) H.Ohashi et H.Nakai
Lychnis miqueliana Rohrb.

ナデシコ科(APG分類:ナデシコ科)の多年草。茎は直立し、分枝する。葉は卵形または長楕円(ちょうだえん)形で長さ5~12センチメートル。夏から秋、茎頂に径約5センチメートルの朱色花をまばらに開く。萼(がく)は筒となり、長さ約3センチメートルで棍棒(こんぼう)状、先は5裂する。花弁の先は切れ込まない。山野の落葉樹林下に生え、関東地方以西の本州から九州に分布する。名は、節が暗紫色を帯びることによる。同属の別種センノウは観賞用に栽培される。

[三木栄二 2021年1月21日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フシグロセンノウ」の意味・わかりやすい解説

フシグロセンノウ(節黒仙翁)
フシグロセンノウ
Lychnis miqueliana

ナデシコ科の多年草。北海道を除く日本各地に分布し,山地や林中の陰地に下草に混って生える。茎は高さ 50~100cmぐらい,上部で分枝し,軟毛がまばらにあり,節はふくれて暗色となる。「フシグロ」の名はこれに基づく。対生する葉は楕円状披針形で先がとがり,葉柄はほとんどない。全縁で縁辺と中肋に毛がある。7~10月に,朱赤色の花を集散花序につける。萼は無毛で,花弁は5個,全縁である。 蒴果は長楕円形,種子腎臓形黒色である。

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百科事典マイペディア 「フシグロセンノウ」の意味・わかりやすい解説

フシグロセンノウ

センノウ

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世界大百科事典(旧版)内のフシグロセンノウの言及

【センノウ(仙翁)】より

…そのほかにも,スイセンノウL.coronaria Desu.(ヨーロッパ原産),アメリカセンノウL.chalcedonica L.(英名Maltese cross,scarlet lychnis,Jerusalem cross,scarlet lightning,シベリア原産),サクラマンテマL.pendula L.(イラスト),コムギセンノウL.coelirosa Desr.(英名rose‐of‐Heaven),リクニス・ハーゲアナL.haegeana Lem.(エゾセンノウとマツモトセンノウの雑種)(イラスト)など数種が栽植される。 また日本には数種のセンノウ属Lychnis(英名campion)植物が野生しており,その代表であるフシグロセンノウL.miqueliana Rohrb.(イラスト)は落葉樹林の林縁によく見られる大型の多年草で,茎は高さ50cmから1mに達し,直立,節はふくらみ暗紫色を帯びる。葉は長さ約10cm,卵形から楕円形で,先はとがる。…

※「フシグロセンノウ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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