フジコヘミング(その他表記)Fujiko Hemming

現代外国人名録2016 「フジコヘミング」の解説

フジコ ヘミング
Fujiko Hemming

職業・肩書
ピアニスト

国籍
スウェーデン

出生地
ドイツ・ベルリン

本名
ヘミング,イングリッド・フジコ〈v.Georgii-Hemming,Ingrid Fuzjko〉

学歴
東京音楽学校(現・東京芸術大学音楽学部)卒,ベルリン音楽学校卒

受賞
文化放送音楽賞(第1回)〔1954年〕,日本ゴールドディスク大賞(クラシック・アルバム・オブ・ザ・イヤー,第14回・15回・18回・19回)〔2000年・2001年・2003年・2005年〕「奇蹟カンパネラ」「憂愁ノクターン」「フジ子・ヘミングの奇蹟―リスト&ショパン名曲集」「フジ子・ヘミング こころの軌跡」,日本音楽コンクールピアノ部門第2位(第23回)〔1954年〕

経歴
ナチス政権下のベルリンで、ロシア系スウェーデン人建築家の父、ジョスタ・ゲオルギ・ヘミングと日本人ピアニストの母、大月投網子との間に生まれる。5歳で日本に帰国。母の手ほどきでピアノを始め、小学3年の時ラジオに出演。また10歳から父の友人だったドイツ系ピアニスト、レオニード・クロイツァーにも師事。青山学院高等部在学中、17歳でデビュー・コンサートを果たすなど、天才少女として話題になり、東京音楽学校(現・東京芸術大学音楽学部)在学中もNHK毎日コンクールに入賞するなど活躍。18歳でスウェーデン国籍を失ったが、才能を認めたドイツ大使館の協力で30歳で赤十字の避難民として渡独。ベルリン音楽学校を首席で卒業後、ヨーロッパに在住し、ウィーンでは後見人の世界的ピアニスト、バドゥラ・スコダに師事。リストとショパンを弾くため生まれてきたピアニストと称されたが、1979年頃デビュー直前に風邪のため失聴。スウェーデンに渡り、国籍を取得。2年後左耳の回復とともに音楽活動を再開し、欧州各地で活躍、高い評価を受けた。’95年母の死を機に、日本に帰国、’98年再起の舞台を踏む。’99年2月聴覚を失いながらもピアニストへの夢を追い続けた半生がNHKドキュメント番組「フジコ―あるピアニストの軌跡」として紹介されて注目を集め、同年8月「奇蹟のカンパネラ」でCDデビュー、クラシックでは異例の100万枚を超えるセールスとなる。同年10月東京オペラシティーでのコンサートを皮切りに、正式に再デビューする。2000年映画「ざわざわ下北沢」に出演。2001年ニューヨークのカーネギーホールで全米デビューを果たす。2002年パリなど欧州ツアー、モスクワ・フィルと日本ツアー。2003年ウィーン・アルティス・カルテットと日本ツアー。同年波乱の半生が菅野美穂主演でテレビドラマ化される。2004年ドイツでユニバーサル・デッカからCDをリリース。2007年ウィーン楽友協会でベートーヴェンのピアノ協奏曲「皇帝」を演奏。同年画集「青いバラの夢」を出版。2009年ロンドン・ウィグモアホールで公演。同年7月本格的アメリカデビューを果たす。他のアルバムに「憂愁のノクターン」「フジ子・ヘミングの奇蹟―リスト&ショパン名曲集」「フジ子・ヘミング こころの軌跡」「Fuziko」(ロンドン録音)など。著書に「フジ子・ヘミング 魂のピアニスト」がある。パリ・東京に在住。

出典 日外アソシエーツ「現代外国人名録2016」現代外国人名録2016について 情報

知恵蔵mini 「フジコヘミング」の解説

フジコ・ヘミング

ピアニスト。フルネームはIngrid Fuzjko Von Georgii-Hemming(イングリッド・フジコ・フォン・ゲオルギー=ヘミング)。日本名は大月フジ。1932年12月5日、ドイツ・ベルリンに生まれる。父はロシア系スウェーデン人、母は日本人。5歳で日本に移住、小学3年生でラジオに出演し、天才少女と称される。終戦後、17歳でコンサートデビューし、53年に「第22回NHK毎日コンクール」に入賞。61年、28歳でドイツに留学したが、卒業後間もなくのリサイタル直前に聴力を失い、コンサート・ピアニストとなるチャンスを逸する。95年、62歳にして帰国。99年2月11日、「フジコ~あるピアニストの軌跡~」(NHK)が放映され、脚光を浴びる。99年に発売されたファーストアルバム「奇蹟のカンパネラ」が大ヒットとなる。、2013年4月現在まで、累計300万枚の売り上げを果たす。以来20枚以上のアルバムをリリース、4度のゴールドディスクを受賞した。

(2013-4-5)

出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報

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