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フランク ふらんくAndre Gunder Frank

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

フランク(Andre Gunder Frank)
ふらんく
Andre Gunder Frank
(1929―2005)

ドイツ出身の経済学者。シカゴ大学で経済学を学び、アメリカ、ブラジル、メキシコ、カナダ、チリなど米州の各大学で教育・研究に従事したが、1973年チリ軍事クーデターを避けてヨーロッパに移る。ヨーロッパでは、ドイツのマックス・プランク研究所客員研究員、イギリスのイースト・アングリア大学教授を経て、81年アムステルダム大学開発経済学教授。98年同大学定年退職後、ふたたび北米に渡り、カナダ、アメリカの諸大学の客員教授を務めた。ラテンアメリカでの講義の過程で、正統派経済理論と第三世界の現実との格差の大きさについての意識を強め、ラテンアメリカ従属学派の諸業績をベースにして新従属理論を提唱。新従属理論の国際化に指導的役割を果たした。また、「開発と低開発は歴史的時間の先後関係にあるのではなく、低開発は開発によってつくりだされたという点で、同一コインの裏表にも例えうる共時的関係にある」という、歴史および世界経済認識の新しいパラダイムを提起して、社会科学の広範な分野での大きな国際的論争を惹(ひ)き起こした。再度の渡米後執筆した大著『リオリエント――アジア時代のグローバル・エコノミー』Reorient : Global Economy in the Asian Age(1998)では、近代世界システムの起源を16世紀の西ヨーロッパに求めるウォーラーステインImmanuel Wallerstein(1930― )の「世界システム論」を含むこれまでの歴史理論を、アジア史を無視したヨーロッパ中心主義史観だと批判するなど、歴史認識上の新たな問題提起を行った。[本多健吉]
『大橋正治他訳『世界資本主義と低開発』(1976・柘植書房) ▽西川潤訳『世界資本主義とラテンアメリカ』(1978・岩波書店) ▽工藤章訳『世界経済危機の構造』(1982・TBSブリタニカ) ▽山下範久訳『リオリエント――アジア時代のグローバル・エコノミー』(2000・藤原書店)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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