ドイツ東部、ブランデンブルク州の都市。1949~90年は旧東ドイツに属した。オーデル川左岸の標高27~52メートルの地にあり、ポーランドとの国境に接する。オーデル川右岸市域の東半分は、1945年以来ポーランド領となっている。人口7万2100(2000)。就業人口の6割が公務・サービスに従事している。機械、木製品、嗜好(しこう)品、既製服などの製造業、製靴工業に加えて、1959年にトランジスタ工場が建設され、その労働者の8割は女性である。繊維工場もある。オーデル川には複線の鉄道橋が架かる。河港では東ヨーロッパ諸国とロシアからの穀物、鉄、石炭の積み換えが行われる。1253年に都市権を得、1368年にハンザ同盟に加盟、1379年にオーデル川の自由航行権を得て商業都市として発展した。1506年にはブランデンブルク最初の総合大学フィアドリナが創立されたが、1811年、ポーランド統治下にブレスラウ(現ブロツワフ)へ移転した。15世紀のマリエン教会やニコライ教会、17世紀に改築された市庁舎などの建造物がある。ドイツ統一後の1991年、かつての総合大学フィアドリナの伝統を継承し国際経済教育を主体としたヨーロッパ大学が設置された。
旧東ドイツ時代にあったフランクフルト県は1952年の行政地域改革によって旧ブランデンブルク領がほぼ3分割されて成立し、面積7186平方キロメートル、人口70万6800(1985当時)であった。県域はモレーン(氷堆石(ひょうたいせき))の丘と原流谷の交替するところで、ライムギ、ジャガイモの農業地帯であった。
[佐々木博]
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